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10月04日-一般質問及び質疑(一般)-04号

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  1. 福島県議会 2005-10-04
    10月04日-一般質問及び質疑(一般)-04号


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    平成17年  9月 定例会平成17年10月4日 (火曜日) 午後1時3分開議 午後4時48分散会議 事 日 程  午後1時開議 1、日程第1 県の一般事務に関する質問 2、日程第2 知事提出議案第1号から第44号まで        付議議案に対する質疑本日の会議に付した事件 1、県の一般事務に関する質問及び知事提出議案第1号から第44号までに対する質疑出 席 議 員      1番 坂 本   登 君   2番 長 尾 トモ子 君      3番 渡 辺 義 信 君   4番 渡 辺 敬 夫 君      5番 小 熊 慎 司 君   6番 西 山 尚 利 君      7番 桜 田 葉 子 君   8番 杉 山 純 一 君      9番 佐 藤 健 一 君  10番 吉 田 公 男 君     11番 高 橋 秀 樹 君  12番 亀 岡 義 尚 君     13番 長谷部   淳 君  14番 佐 藤 金 正 君     15番 馬 場   有 君  16番 柳 沼 純 子 君     17番 大和田 光 流 君  18番 太 田 光 秋 君     19番 斎 藤 健 治 君  20番 高 宮 敏 夫 君     21番 清 水 敏 男 君  22番 中 村 秀 樹 君     23番 満 山 喜 一 君  24番 三 村 博 昭 君     25番 安 瀬 全 孝 君  26番 神 山 悦 子 君     27番 飛 田 新 一 君  28番 平 出 孝 朗 君     29番 高 橋 信 一 君  30番 遠 藤 保 二 君     31番 斎 藤 勝 利 君  32番 白 石 卓 三 君     33番 塩 田 金次郎 君  34番 小 澤   隆 君     35番 箭 内 喜 訓 君  36番 甚 野 源次郎 君     37番 有 馬   博 君  38番 渡 部 勝 博 君     39番 加 藤 雅 美 君  40番 鴫 原 吉之助 君     41番 渡 辺 廣 迪 君  42番 小桧山 善 継 君     43番 橋 本 克 也 君  44番 遠 藤 忠 一 君     45番 渡 辺 重 夫 君  47番 中 島 千 光 君     48番 西 丸 武 進 君  49番 渡 部   譲 君     50番 古 川 正 浩 君  51番 吉 田   弘 君     52番 青 木   稔 君  54番 加 藤 貞 夫 君     55番 斎 藤 卓 夫 君  56番 山 口   勇 君     57番 望 木 昌 彦 君  58番 瓜 生 信一郎 君説明のため出席した者 県       知     事     佐 藤 栄佐久  君       副  知  事     川 手   晃  君       出  納  長     室 井   勝  君       直 轄 理 事     穴 沢 正 行  君       総 務 部 長     野 地 陽 一  君       企 画 調整部長     内 堀 雅 雄  君       (総合的水管理       担当理事、過疎       ・ 中 山間地域       振興担当理事)       生 活 環境部長     根 本 佳 夫  君       保 健 福祉部長     村 瀬 久 子  君       ( 子 ども施策       担 当 理 事 )       商 工 労働部長     鈴 木 雄 次  君       ( ま ちづくり       担 当 理 事 )       農 林 水産部長     松 本 友 作  君       土 木 部 長     蛭 田 公 雄  君       出 納 局 長     高 萩 秀 則  君       知 事 直 轄     穴 沢 正 行  君       知事公室長(兼)       総 務 部政策監     佐 藤 節 夫  君       直 轄 参 事     斎 藤   隆  君 知 事 直 轄       知 事 公 室     斎 藤   隆  君       秘 書 グループ       参 事 ( 兼 ) 総  務  部       財 務 領 域     河 野 武 行  君       総 務 予 算       グ ル ープ参事       総 務 部 主 幹     徳 永 勝 男  君 企  業  局       企 業 局 長     滝 田 久 満  君 病  院  局       病院事業管理者     茂 田 士 郎  君       病 院 局 長     秋 山 時 夫  君 教 育 委 員 会       委     員     鈴 木 芳 喜  君       教  育  長     富 田 孝 志  君 選挙管理委員会       委     員     山 崎 捷 子  君       事 務 局 長     佐々木 宗 人  君 人 事 委 員 会       委     員     新 城 希 子  君       事 務 局 長     瀬 戸 明 人  君 公 安 委 員 会       委     員     松 本 忠 清  君       警 察 本 部 長     綿 貫   茂  君         労 働 委 員 会       事 務 局 長     佐 藤 長 久  君         監 査 委 員       監 査 委 員     音 高 純 夫  君       事 務 局 長     吉 川 三枝子  君  議会事務局職員        事 務 局 長     友 部 俊 一  君       事 務 局 次 長     吉 田 豊 吉  君       事 務 局参事兼     土 屋 文 明  君       総 務 課 長       議 事 課 長     内 田 信 寿  君       政 務 調査課長     真 壁 洋 一  君       議 事 課主幹兼     中 村   勉  君       課 長 補 佐       議事課主任主査     野 木 範 子  君       議事課主任主査     坂 上 宏 満  君       議事課主任主査     大 西 泰 博  君       兼 委 員会係長       議 事 課 主 査     富 塚   誠  君    午後1時3分開議 ○議長(渡辺敬夫君) ただいま出席議員が定足数に達しております。  これより本日の会議を開きます。 △県の一般事務に関する質問及び知事提出議案第1号から第44号までに対する質疑 ○議長(渡辺敬夫君) 直ちに日程に入ります。  日程第1及び日程第2を一括し、県の一般事務に関する質問及び知事提出議案第1号から第44号までに対する質疑をあわせて行います。  通告により発言を許します。16番柳沼純子君。(拍手)    (16番柳沼純子君登壇) ◆16番(柳沼純子君) 自由民主党柳沼純子でございます。今回、5度目の質問でございます。  過日行われました衆議院議員の選挙では、自由民主党に対し県民の皆様の厚い御支持をいただき、圧勝することができました。心より感謝を申し上げますとともに、なお一層かぶとの緒を締め直し、新たな気持ちで県政進展のため、質問に臨みたいと思います。  まず初めに、知事にお伺いいたします。  知事は、9月10日から21日まで欧州視察に行かれました。フランス、イギリス、アイルランドの3カ国を訪問し、県政の重要課題であるスポーツによる国際人育成地方分権改革の推進、文化の振興による地域づくり、だれもが安心して暮らせるまちづくりを中心に視察され、すばらしい成果が上がりましたことに敬意を表します。  特に、イギリスのノッティンガムでは、大型店の郊外立地の規制状況を初め次世代型路面電車の導入や、歴史的建物を活用したまち並みづくりなどによる中心市街地の再生の状況を視察されたと聞いております。  そこで、知事は今回のイギリス訪問の成果を踏まえ、今後どのような考えで中心市街地の再生を進めていくのかお尋ねいたします。  また、県内の中心市街地は、各種のまちづくり取り組みにもかかわらず、居住者や人通りの減少などその衰退が深刻化しており、その再生は喫緊の課題となっております。今後の人口減少時代において、高齢者も含めた多くの県民にとって暮らしやすい都市構造を整備することが必要であると思っております。  従来は、中心部から外縁に向かって都市が拡大する、いわゆる郊外型の開発が行われておりましたが、高齢化や少子化が進行している最近は、病院や学校などの公共施設や福祉施設と一体となったマンションなどの居住施設を中心部に集積しようという動きが出始めております。  そこで、県は中心市街地の再生のために、集う、商う、住まうの三つの視点から総合的に展開しておりますが、特に街中への居住の支援についてどのように取り組んでいるのかお尋ねいたします。  次に、猪苗代湖の環境についてお伺いいたします。  我が県には、猪苗代湖という日本で3番目に大きい湖、そして水質は1番と、全国に誇れる湖があります。猪苗代湖は、福島県にとって、水資源、観光資源など代表的な位置づけであります。だれもがきれいなままで次世代に引き継ぎたいものと心から願っております。  ところで、日大工学部土木科の藤田先生の率いるプロジェクトチームが、水質検査を初め猪苗代湖のすべてを知りたいと、深いところでは94メーターのところの水とりや、強風の中、命がけの調査をしたことなど、まだまだ解明されない神秘的で魅力的な湖であることをお聞きしました。使命感を持ちながら、地道に研究に打ち込んでおられる方々に尊敬の念を抱きます。  その猪苗代湖にとって心を痛めなければならないのは、水質の汚濁だけではありません。猪苗代湖の環境を守る上で、安全もまた重要な課題であると考えます。  毎年、猪苗代湖にはモーターボート水上バイクなどのいわゆるプレジャーボートを楽しむ方が大勢集まってきますが、わざわざマフラーを外して騒音を出して自分をアピールする人がいるなど、そのマナーの悪さを嘆く人の声も多数聞いております。  また、マナーの範囲にとどまらず、遊泳区域に平気で入ってきたり、遊泳者の付近での急回転や、スピードを出し過ぎてとまれずに他のボートに追突した例もあると聞いて、県警察による取り締まりの強化を期待するとともに、何よりもこうした行為が大きな事故につながらなければよいと心配しております。  そこで、猪苗代湖におけるプレジャーボートの事故の現状と防止対策についてお尋ねいたします。  さらに、猪苗代湖は、モーターボートなどの利用のほかにも、釣りやキャンプなど、さまざまなレジャーの場としてもたくさんの人に利用されています。  しかし、これらの利用の仕方によっては、猪苗代湖の水を汚しているのではないかと心配しております。例えば、排気ガスが直接水中に排出される構造になっているプレジャーボートの急加速や急発進時のすすやエンジンオイルによって水を汚したり、釣りをする場合であれば、過剰な量のまきえによる汚れ、キャンプ場から出される汚水やごみが直接湖に入ったりするなど、レジャーとしてのマナーの悪い利用が猪苗代湖の水質を悪化させる原因となってしまう場合があります。  このため、県では、猪苗代湖及び裏磐梯湖沼群の水環境の保全に関する条例を平成14年3月に制定し、その中に猪苗代湖裏磐梯湖沼における水環境保全に配慮したレジャー利用を求める規定を定めて、県や関係市町村地元関係団体などで構成される猪苗代湖裏磐梯湖沼水環境保全対策推進協議会を中心として、その周知に取り組んでいるようですが、猪苗代湖レジャー利用における水環境保全への配慮の促進について、水環境保全対策推進協議会として具体的にどのように取り組んでいるのでしょうか、お尋ねいたします。  次に、食育についてお伺いいたします。  私は、健全な心身を培い、豊かな人間性をはぐくむための食育を推進することが重要であると考えていたことから、昨年6月の定例会において質問をいたしました。  平成17年6月10日に食育基本法が成立し、7月15日から施行されました。食育基本法の中で、食育は、生きる上での基本であって、知育、徳育、体育の基礎となるべきもの、さまざまな経験を通じて食に関する知識と食を選択する力を習得し健全な食生活を実践することができる人間を育てることと位置づけられております。つまり、私たちの体も食の上に成り立っているということです。  現在、栄養の偏り、不規則な食事などによる健康への影響や、食を大切にする心の欠如などの問題が生じており、家庭、学校、地域等においてみずから食のあり方を学び、健全な食生活を実現することが極めて重要であります。  このため、食育を推進するに当たっては多様な関係機関の連携協力が不可欠であり、県においても保健、福祉、農林水産、教育の各分野において取り組みをされていることと思います。  ついては、食糧の供給を担う農林水産の分野において、食に対する関心や理解を深めるためにどのような取り組みをしていくのかお尋ねいたします。  また、近年、社会環境の変化に伴い、コンビニにおいてインスタント食品を温めるだけで料理をしたと思い込んでいること、朝食の欠食による学校生活への影響、ひとりで食事をとる孤食、偏った栄養摂取による肥満等や生活習慣病の増加など、子供たちに影響を及ぼしていることを耳にすることがあり、食育の推進が現代社会において非常に重要であると考えます。  そこで、児童生徒の健全育成を担う学校教育における食育に関するこれまでの取り組みと今後の取り組みについてお尋ねいたします。  次に、集落営農についてお伺いいたします。  本県農業は、農業者の高齢化の著しい進行や、稲作に依存した小規模な経営などから依然脱却できない状況にあります。私は、このような現状が続けば、遊休農地の増加や生産性の低下により、地域農業・農村の活力が失われてしまうのではないかと懸念しております。  このような中で、ことし6月に、国は、集落営農についての積極的な推進に当たり、集落営農実態調査の概要を出しました。平成17年の集落営農数は1万63で、平成12年に比べ1%増加しています。東北地方においても増加傾向であります。  同時に、集落の農業の将来展望に関する意向調査も行いました。将来の我が国の農業を担う担い手の育成確保、営農の組織化、法人化を初めとする平成17年度に向けた担い手育成の重点方針を作成するなど、農業に対する意気込みは並々ならぬものが伝わってまいります。  私は、郡山市の熱海町安子ヶ島地区や石筵地区の農業者の方々から、日ごろより頼りにしている農林事務所農業普及部の支援を受けながら集落営農に取り組んでいるとお聞きし、大変頼もしく思いました。  そこで、県は集落営農をどのように推進していく考えなのかお尋ねいたします。  また、集落営農を推進することで担い手の経営規模が拡大された結果、担い手に農地を提供した元気なお年寄りや兼業農家がふえると思いますが、その人たちの労力を積極的に活用することが大切であると思います。担い手の人たちだけでなく、農業の経験が豊かで元気なお年寄りが、今後とも生きがいを持って集落の農業に参画できる場も必要であると考えます。  そこで、高齢農業者等も参画できる集落営農が必要であると思いますが、県の考えをお尋ねいたします。  次に、産業廃棄物最終処分場の設置についてお伺いいたします。  私は、平成15年12月定例会において、公共関与による産業廃棄物最終処分場についてお伺いいたしましたが、再度公共関与による産業廃棄物最終処分場の設置についてお伺いいたします。  産業廃棄物の適正な処理は、産業経済活動を円滑にし、安全で安心な生活環境を維持していく上で極めて重要な課題であります。  しかし、土地の高度利用化が進み、適地が少なくなってきていることや、不法投棄等の増大などによる産業廃棄物処理に対する地域住民の不信感の増大により、周辺住民の合意形成を図ることが困難になってきており、新たな最終処分場の確保は極めて難しい状況にあると考えております。  また、県中地区は産業の集積と交通体系にも恵まれ、産業経済のますますの発展が見込まれる一方、民間の産業廃棄物最終処分場の設置数、残存容量とも少ないことから、産業廃棄物最終処分場の確保は重要な課題であると考えられます。  このような状況において、県が進めている県中地区環境整備センター(仮称)には、中小企業が安心して処理できる体制を確保することが求められており、公共関与の施設として安全・安心が保障されることが期待されております。  こうした中で、県では、産業廃棄物をめぐる状況の変化などを踏まえ、廃棄物処理計画の見直しを行っておりますが、県中地区環境整備センター(仮称)の今後の方向性をどのようにするのか、考えをお尋ねいたします。  最後に、コイヘルペスウイルス病対策についてお伺いいたします。  コイヘルペスウイルス病対策については、さきの6月定例会における我が党の代表質問において遠藤忠一議員が、また一般質問において飛田新一議員より質問がありましたが、再度質問させていただきます。  現在、本県のコイ生産量は全国第1位であり、その6割以上を生産する郡山市においては、九業者が29のため池でコイの養殖を営んでおります。私の自宅のすぐ近くにも多くのコイ養殖池があり、養殖業者の悲鳴に似た声が聞こえてまいります。  このコイヘルペスウイルス病は、蔓延した場合にコイに重大な損害を与えるおそれがあることから、持続的養殖生産確保法において特定疾病に指定されている病気であり、現在、山口県を除く4六都道府県で発生しており、全国に蔓延している状況であります。  本県においても、昨年初めコイヘルペスウイルス病の発生が確認され、本年はコイ養殖ため池で初めて確認されました。さらに、郡山市民の憩いの場でもあります開成山公園の五十鈴湖でも発生が確認され、郡山市の一市民である私としても非常に残念に思っている次第であります。  コイヘルペスウイルス病は、コイの接触によるものなのか、水による感染なのか、感染経路が不明で、いまだ原因が特定されていないということで、コイ養殖業者は事業継続に、また消費者は食の安全という観点から、それぞれ大きな不安を持っているところであります。コイヘルペスウイルス病の感染拡大を防ぐこと、特にコイ養殖ため池における蔓延防止を図ることが重要かと考えております。そのためには、感染したコイ養殖ため池のコイをなるべく早く処分することが必要ではないでしょうか。  そこで、私は、日本一の生産地のコイ養殖業者の支援の立場と、日本一の生産地である郡山市に住み、身近でコイを食べてきた消費者としての立場からお伺いいたします。  まず、本県におけることしのコイヘルペスウイルス病の発生状況と、県の対応についてお尋ねいたします。  次に、コイ養殖業者に対する支援についてお伺いいたします。  持続的養殖生産確保法第9条の規定により、コイの処分に要した経費の全額及び処分したコイに対しては県が補償することとされておりますが、県は、コイヘルペスウイルス病の発生が確認されたコイの養殖業者等に対して、いつの時点でどのように支援していくのかお尋ねいたします。  次に、コイヘルペスウイルス病の発生により、コイ養殖業者は販売の落ち込みで大変な苦労をしていると聞いております。  一方、私は、長年郡山のコイを食べてきた消費者の1人として、日本一の生産地である郡山市のコイというブランドの風評被害による影響に危惧を覚えます。郡山市長がみずからコイ料理を食して、安全であることをアピールする場面もありました。  そこで、消費者が安心して食べることができるよう、コイヘルペスウイルス病の発生による風評被害の防止に県はどのように取り組んでいるのかお尋ねいたします。  苦しみも悲しみもみんな幸せの隠し味、苦しみ、悲しみがあるからこそ、人生が何倍もおいしくなるのですよね。すべての県民が安全で安心のできる暮らしやすいまち、そして人生がおいしくなることを望んでおります。私は、県議会議員としての誇りと使命感を持って日々努力、精進することをお誓い申し上げまして、質問を終わります。(拍手) ○議長(渡辺敬夫君) 執行部の答弁を求めます。    (知事佐藤栄佐久君登壇) ◎知事(佐藤栄佐久君) 柳沼議員の御質問にお答えいたします。  中心市街地の再生につきましては、英国においても1980年代には中心市街地の空洞化が進行し、車社会による環境問題などに直面したことから、90年代半ばに「持続可能な発展とコンパクトなまちづくり」を目指す基本戦略が強く打ち出されたところであります。  この戦略を反映した都市計画の政策方針に基づき、大型小売店については、グリーンベルト地区を都市の郊外に設定し、立地を抑制する一方、中心市街地への立地を誘導することにより、大型小売店の適正な立地を図っております。  今回訪問したノッティンガム市では、中心市街地の再生に向けて、古い工場などを住宅に再整備するとともに、歴史的な建築物を生かした街並みを整備し、人々を街中に呼び戻しております。  また、中心市街地歩行者専用区域とし、パーク・アンド・ライドのための駐車場の整備や低床式の次世代型路面電車の導入など、住民を初め自治体や民間事業者等の参加と連携によりまちづくりを総合的に実施しており、歩行者優先の歩いて暮らせるまちづくりを実現し、魅力ある中心市街地の再生に成功しております。  今回の視察の成果を踏まえ、私は、明確なビジョンのもとに住民等が主体となって、行政との連携によりまちづくりに取り組むことの重要性を実感したところであり、イギリスとの法制度の相違を踏まえながら、中心市街地の再生を優先するという考え方などを商業まちづくり推進条例に基づく基本的な方針に取り入れ、住民が主役のまちづくりを目指し、新しい時代にふさわしい福島のまちづくりを推進してまいる考えであります。  その他の御質問につきましては、関係部長から答弁いたさせます。    (生活環境部長根本佳夫君登壇) ◎生活環境部長(根本佳夫君) お答えいたします。  猪苗代湖レジャー利用につきましては、利用者一人一人の水環境保全意識の向上が極めて重要なことから、これまでも水環境保全対策推進協議会においては、フォーラムや研修会の開催、湖美来基金の活用による普及啓発、地元住民による湖畔の巡回指導、キャンプ場の利用者等を対象とした周知などが行われてきたところであります。  今年度は、これらに加え、猪苗代湖水環境保全の大切さを、レジャー利用のマナーも含め広く訴えるシンポジウムを開催するなど、関係機関との連携を図りながら、猪苗代湖水環境保全への配慮が一層促進されるよう取り組まれているところであり、県としても、協議会との連携を深めて水環境保全の推進に努めてまいる考えであります。  次に、県中地区環境整備センター(仮称)につきましては、現在廃棄物処理計画の見直しを環境審議会に諮問し、産業廃棄物の減量化や適正処理の推進、産業廃棄物排出量の将来予測や処理施設の確保の見通しなどを議論する中で御審議いただいているところであります。  県といたしましては、整備に向けた取り組み状況は依然として厳しいものの、県中地区における最終処分場の残存容量や地域バランス等を考慮すると、継続的な取り組みが必要であると考えております。  なお、今後の環境審議会における審議等も踏まえ、総合的な観点から検討を行い、廃棄物処理計画に反映してまいりたいと考えております。    (農林水産部長松本友作君登壇) ◎農林水産部長(松本友作君) お答えいたします。  農林水産分野における食に対する関心や理解を深めるための取り組みにつきましては、これまでも農産物の栽培や収穫作業等の体験学習を初め地元の農林水産物を利用した料理講習会を開催するなど、広く県民に食と農について考える機会を提供してきたところであります。  今後とも、農林水産物の地産地消を一層推進するとともに、生産者及び関係団体等と連携しながら、食の大切さや地域の農林水産業と食文化に対する理解の促進に努めるなど、健全な食生活の実現に積極的に取り組んでまいる考えであります。  次に、集落営農の推進につきましては、農業者みずからが今後の集落のあり方を話し合う中で担い手を明確にするとともに、農用地の利用集積を図っていくことが緊急の課題であると認識しております。  このため、これまで農林事務所や市町村、JA、土地改良区等で構成する集落営農推進協議会を県内14地域に設置し、それぞれの機関、団体ごとに専任の担当者を配置するとともに、県内全集落の現状把握に基づき、集落の実情を踏まえた説明会を行ってきたところであります。  今後は、圃場整備が完了した集落や農用地利用改善団体が設立されている集落などの熟度の高い集落を重点として工程表を作成し、各推進協議会において集落営農の進行管理を行うなど、効果的な支援活動を展開することで、それぞれの集落の実情に即した集落営農を積極的に推進してまいる考えであります。  次に、高齢農業者等の参画につきましては、集落における農業の担い手と農地を提供した高齢農業者等が、それぞれ集落の一員としての役割と責任を持って営農に参画できる仕組みづくりが重要であると認識しております。  このため、高齢農業者等がこれまで培ってきた豊かな経験と技術を生かすことのできる園芸作物の導入や、地元農産物を利用した加工食品の開発、消費者との交流が期待できる直売所での販売促進への取り組みなど、今後とも高齢農業者等が生きがいを持って活動できる集落営農を支援してまいる考えであります。  次に、コイヘルペスウイルス病につきましては、6月9日に郡山市内のコイ養殖ため池で発生して以来、現在までコイ養殖ため池、個人の池、公園の池及び浄水場の貯水池などで合計18件の発生が確認されております。  県といたしましては、発生した養殖業者等に対し、コイの移動禁止、焼却処分、施設の消毒を内容とする蔓延防止措置命令等を発し、その実施を徹底したところであり、これまで10カ所でコイの焼却処分と池等の消毒を終了しております。  さらに、発生した池の下流域にある養殖ため池の定期的な巡回調査を行うとともに、異状があった場合の迅速な連絡を徹底するなど、コイヘルペスウイルス病の発生の拡大防止に努めているところであります。  次に、コイ養殖業者に対する支援につきましては、県といたしましては、何よりも処分が終了していない養殖業者等に対して、蔓延防止措置命令に基づき、速やかにすべてのコイの処分を行うよう強く求めてまいる考えであります。  次に、風評被害の防止につきましては、これまでコイヘルペスウイルス病はコイ特有の病気であり、コイ以外の魚や人間には感染しないことを、新聞やテレビスポット放送、県政広報誌、ホームページなどを通して県民に広く周知し、風評被害の防止に取り組んできたところであり、今後ともあらゆる機会をとらえ、この病気に対する県民の理解が得られるよう努めてまいる考えであります。    (土木部長蛭田公雄君登壇) ◎土木部長(蛭田公雄君) お答えいたします。  街中への居住の支援の取り組みにつきましては、街中への居住促進が中心市街地の活性化に有効であることから、民間活力を生かした公営住宅借り上げ制度や高齢者向け優良賃貸住宅制度の普及、誘導を図っております。  また、優良な建築物を整備する事業で、マンションなど居住施設を含むものについては、公共的な広場や通路、駐車場などを対象に助成を行うなど、市町村とともに支援を行っております。  今後とも、市町村など関係機関と連携し、中心市街地の再生やコンパクトなまちづくりに資するよう、街中への居住の促進に取り組んでまいる考えであります。    (教育長富田孝志君登壇) ◎教育長(富田孝志君) お答えいたします。  学校教育における食育につきましては、学校給食指導を通して日常の食生活に関心を持たせながら、望ましい食習慣の形成を図っております。また、農業体験学習などにより、食糧の生産についての理解を深め、家庭科での調理実習を通して食の大切さについて指導しているところであります。  今後とも、各学校等で行われている食育に関する実践の成果を県内に広く普及させ、より一層食育の充実に努めてまいる考えであります。    (警察本部長綿貫 茂君登壇) ◎警察本部長(綿貫茂君) お答えいたします。  猪苗代湖におけるプレジャーボートの事故の現状につきましては、本年9月末現在、水上オートバイ同士の衝突が1件、水上オートバイに牽引されたゴムボート等からの転落が2件、モーターボートのスクリュー巻き込みが1件の計4件の事故が遊泳場以外の区域において発生し、4名の方が負傷しております。  また、防止対策につきましては、遊泳者及びプレジャーモーターボートの事故防止に関する条例、いわゆる福島県水上安全条例に基づき、遊泳区域を指定するなどして、プレジャーボートと遊泳者の混在による事故の未然防止を図っているところであります。  さらに、遊泳場に接近するプレジャーボート等の危険な行為に対しましては、23件の指導取り締まりを行ったところであります。  今後とも、事故防止とマナー向上のため、広報啓発活動を実施するとともに、指導取り締まりを強化してまいりたいと考えております。 ○議長(渡辺敬夫君) これをもって、柳沼純子君の質問を終わります。  通告により発言を許します。22番中村秀樹君。(拍手)    (22番中村秀樹君登壇) ◆22番(中村秀樹君) 県民連合の中村秀樹でございます。以下5項目について質問いたします。  初めに、新長期総合計画重点施策体系の見直しと公共サービスについてお尋ねいたします。  ことしは福島県新長期総合計画うつくしま21の計画期間の中間年次であり、今までの進状況を踏まえながら重点施策体系の見直しを行うこととしており、このほど重点施策体系の見直し素案が策定されました。  中央政府、地方政府含めて行政は、住民から徴収する租税等を用いて公的な財・サービスを提供することになっていますが、バブル崩壊後10年間で、従来の公共サービスの仕組みがうまく動かなくなってきました。その背景には、財政危機の深刻化とともに、公共サービスを提供する上での前提条件である社会システムが大きく揺らいでいるというのが一因であり、それと連動して、行政に期待している役割そのものが変化しているのではないかと思います。  したがって、行政は、住民のニーズを敏感に感じ取りながら、自身の役割を絶えず見直していくことが求められています。住民の生活を向上させるための対策を適時適切に講ずるため、住民ニーズを迅速かつ必要十分にくみ取っているかが問われていると思います。いわば、行政が考える公共サービスという供給と、住民ニーズという需要の一致点を探し出す作業が求められています。  そこでまず、重点施策体系の見直しに当たり、県民ニーズをどう把握し、どう分析したのかお尋ねいたします。  先ほど発表された県の試算によると、平成17、18の2年間で、一般財源が約990億円不足を生ずる見込みであるとされています。  また、財政制度審議会の「平成18年度予算編成の基本的考えについて」の中で、現行の地方交付税の財源保障機能を縮減し、地方交付税総額を削減することが重要であると書かれてあるように、三位一体の改革の方向によっては、これから県の財政がどうなるのかわからない状態の中での今回の見直しに当たっています。  そこで、この厳しい財政状況の中で重点施策体系をどう実現していくのかお尋ねいたします。  また、その上で、どこまでを行政が担うのかといった課題が出てくると思います。公共サービスの供給の古典的な根拠としては、市場で価値づけのできない公共財であること、市場で取引可能でも自然独占が生じる場合、外部経済がある財の提供といった点があります。  しかし、こういった古典的な定義が揺らいでいるのではないか。私は、行政サービスと公共サービスが乖離しつつあるのではないかと思います。ある時期までは、行政サービスがイコール公共サービスであり、行政サービスである公共サービスの供給を行政が一元的に決めてきました。  ところが今日、厳しい財政状況と急激な少子高齢化や世界的な規模でのIT化など、社会経済状況の変化により、従来の行政による一元的な公共サービス像が崩れつつある状況になっていると思います。  もちろん、公共サービスの範囲は、その時々の住民ニーズによってある程度変化してきますから、範囲を設定することは困難であることは承知しています。  しかし、例えばバブル期のように、税収がふえたから事業メニューをふやし、一転して税収が減ったから事業を削減するといった政策決定では、余りにも一貫性のないものになってしまうのではないでしょうか。ある程度、ここまでは行政でサービスを提供する、ここまでは提供しないといった基準が必要なのではないか。そういった行政サービスの量をコントロールする判断基準がないと、その時々の経済状況によって事業が増減し、必要でない事業を提供したり、逆に必要なときに必要な事業を提供できないといった、住民が行政に期待するものとのずれが生じてくるのではないかと思います。  今後、地方分権が進展し、真に住民に必要なサービスを地方みずからの責任で自主的、効率的に決定できることになっていけば、公共サービスの決定を中央省庁が独占してきた役割は変化し、逆に地方の行政の果たすべき役割はますます大きくなっていくのではないかと思います。地域の実情が異なる以上、それぞれの地域の特性に応じて実現すべき公益も異なり、したがってまた提供すべき行政サービスも異なってくるはずです。その意味では、財政規模とその地域の実情を踏まえて、有効な公共サービスの成果を最大化する適正規模の模索をそれぞれの地方の行政が担っていくことになると考えます。  そこで、行政サービスの範囲を設定する基準についてお尋ねいたします。  また、公共サービスと行政のかかわりについてどのように考えているのかお尋ねいたします。  さらに、平成22年度の福島県のあるべき姿について、県の基本的な考えをお尋ねいたします。  次に、地球温暖化対策についてお尋ねいたします。  気象庁の資料によると、日本では二十世紀中に平均気温が1度上昇し、近年は一部の高山植物の生息域の減少や動物の生息域の変化など、生態系に変化があらわれており、また豪雨の発生頻度の増加などが観測され、それらの原因の一つとして地球温暖化が指摘されています。  ことし2月、地球温暖化対策の第一歩である京都議定書が発効しました。 この京都議定書に定められた温室効果ガス6%削減約束を達成するため、4月には京都議定書目標達成計画が策定されました。  この計画では、環境と経済の両立、技術革新の促進、すべての主体の参加・連携の促進、多様な政策手段の活用、評価、見直しプロセスの重視、国際的連携の確保という六つの基本的考えを掲げています。  また、国、地方公共団体、事業者及び国民が総力を挙げて地球温暖化問題に取り組むための基盤を整備するため、さきの通常国会において地球温暖化対策推進法が改正されました。そこでは、国及び地方公共団体の責務について、みずからの事務事業に関し、温室効果ガスの排出量の削減のための措置を講ずることが規定されています。  我が国の温室効果ガス排出量は、2003年度には1990年の基準年に比べ8.3%の増加となっており、議定書の削減約束との間には14%以上の乖離があります。また、福島県内での二酸化炭素排出量もふえております。  温室効果ガス対策は、福島県や我が国だけの問題ではなく、地球規模での問題であり、とりわけ二酸化炭素は社会経済活動や我々の日々の生活から発生する、いわば副産物であり、その削減はなかなか容易ではありません。しかしながら、地方自治体は、地域の状況、事業者の内情に精通しており、よりきめ細やかで効果的な対策によって実効性を上げていく力を有していると思います。  そこで、県では、地球温暖化防止対策を推進するために、平成11年3月に策定した福島県地球温暖化防止対策地域推進計画を改定するとのことですが、どのように改定しようとしているのかお尋ねいたします。  また、環境省のデータによると、現在、化石燃料の燃焼などによって年間63億トンの二酸化炭素が排出されていますが、地球の純吸収量は約31億トンと推定されており、年間32億トンが大気中に蓄積され、濃度が上昇し続けています。そのような中、二酸化炭素吸収源としての森林の適切な整備・保全等を推進することがますます重要になってくると思います。  国においては、目標としている森林による吸収量3.9%の確保を図るため、地球温暖化防止森林吸収源10カ年対策を策定していますが、本県においても森林吸収源対策推進プランを策定し、森林の整備を推進すると聞いています。  そこで、県は、二酸化炭素吸収源対策としての森林の整備・保全をどのように進めるのかお尋ねいたします。  次に、総合的な水管理計画についてお尋ねいたします。  水は、地球形成の過程で生まれ、さらにその水の中で生まれた生命は、水と深いかかわりを持って生命を維持しており、水なしには生きられません。また、地球上の水の総量は数10億年も昔から変わらず、姿形を変えながら自然界を循環しています。それだけに、良好な水質が確保されることは、生き物にとって重要なことです。  また、資源としての水の側面もあります。資源としての水は、農業生産のためのかんがい排水、工業製品生産のための工業用水、都市等における生活用水、水力発電などのエネルギー生産などです。  世界的には、二十一世紀は水の世紀と言われるように関心が高いのですが、国民、県民の水に対する危機意識は必ずしも高いとは言いがたい状況にあると思います。  しかし、ことしの四国地方に見られるように、近年の少雨化傾向により、資源として利用可能な水の量は減少していると言われており、またさまざまな生活活動から汚染物質の流出が懸念されるとともに、十分に管理されていない森林地域の増加による洪水の可能性の増大など、水源地域の水質の低下や洪水に対する脆弱性など、社会や経済に大きな影響を及ぼすものと思われます。  今までも、水プランや水環境基本計画、河川整備計画等々、水や河川に関する各種の施策があり、その結果として本県の河川や湖沼は全国でも上位の水質を保っていますが、これから策定される総合的な水管理計画と水に関する各種計画との関連についてお尋ねいたします。  また、計画を立てる場合の視点として、県の将来の水の需給をどう予測しているのかという点があります。利用可能な水資源量については、地球温暖化に伴う水循環への影響を考える必要があります。つまり、降雨変動パターンの変化と、それに伴う河川の洪水流量、渇水流量の変化などです。  水需要に関しては、生活水準の向上に伴う生活用水使用料、工業用水の増減や農業の耕作面積の増減に伴う利用量の変化などを分析、予測して、水資源の将来の需給の調整を図ることが大切になってくると思います。いわば水資源マネジメントです。また、地球温暖化や森林の荒廃、都市インフラの変化による浸水被害の増加に対する災害対策の視点です。  もう一つは、水質の保全、水質改善をどう考えるのかという点です。つまり、人の健康や生態系に有害な化学物質をどれだけ除去し、安全・安心な水をつくっていくかという視点です。水資源の保全に寄与している水源地域と下流受益地域をつなげ、経済効率的な観点だけではない、水資源保全における新たな流域関係を模索していくことが必要であろうという点です。  文部科学省の科学技術.学術審議会の報告書には、世界的な水資源解決の視点ではありますが、四つの課題を提言しています。その一つは、水問題をめぐる関係者の連携がとれているのか、政策立案する者と研究者、技術者の連携です。  二つ目は、水問題解決に適した科学となっているのか。つまり、水利用は社会制度、伝統、文化などが絡んだ長い歴史が刻まれているため、科学的、経済的な合理性とともに、社会科学的に配慮した政策が必要ということです。  三つ目は、水問題についての地域的なニーズを踏まえているのか、四つ目は水問題解決に必要な人材が育っているかです。  そこで、今後、県は計画策定に当たって基本的な課題をどう考えているのかお尋ねいたします。  さらに、それらの課題を踏まえ、本県の水環境のあるべき姿について、県の基本的な考えをお尋ねいたします。  次に、悪質住宅リフォーム問題等についてお尋ねいたします。  判断能力に乏しい高齢者をねらって住宅に上がり込み、無料の住宅点検を装って、家の土台が腐っている、このままでは家がつぶれるなどと不安をあおり、不必要な工事契約を結ばせる手口が全国的に横行しており、中には大手リフォーム業者が詐欺で警視庁に摘発されるなど、詐欺事件に発展した事例も見られるところです。  また、地震の多発やアスベスト問題を契機として、これらの被害を未然に防止しようと、住宅の改良工事に対する関心が高まっていますが、こうした悪質なリフォーム業者が横行すれば、健全なリフォーム業者にも影響を与えるのではないかと考えます。  そこで、悪質なリフォーム業者に対してどのように対応していくのか、県の考えをお尋ねいたします。  さらに、消費生活は衣食住など広範にわたっており、その中でさまざまな悪質商法が生じてきておりますが、それらに対応するため、県は今年度から配置された不当取引専門指導員をどのように活用しているのかお尋ねいたします。  最後に、介護保険についてお尋ねいたします。  平成12年に介護保険制度の創設がなされ、要介護高齢者の支援システムができましたが、その後の少子高齢化の進展等により、要介護の軽いサービス利用者の増加や、認知症高齢者ケアの対応など課題が生じてきました。  そこで、予防重視型システムへの転換、施設給付の見直し、新たなサービス体系の確立等を柱とした介護制度改革が行われました。  県は、市町村の事業が円滑に行われるよう、公益的視点から支援するとともに、介護サービスを提供する事業者、施設に関する役割、介護サービスの基盤整備その他の役割を担っていますが、このたびの改正により、新たな介護保険事業支援計画を定めることになっています。  そこで、介護保険事業支援計画は、県老人保健福祉計画と一体的作成の義務がある上に、県地域福祉支援計画や医療計画及び医療適正化計画との調和を図らなければならないとされています。これら関係する計画との整合性を図りながら計画を策定していくと思われますが、今後のスケジュールをお尋ねいたします。  また、事業支援計画を策定していく上で、まず県全体の介護保険の現状を把握し、現行の介護保険事業支援計画の達成状況について分析、評価することが必要だと思われます。我が県の高齢人口、高齢化率の推移、要介護認定者数、要介護認定率の推移、介護給付費の支払い状況、介護サービスの種類別利用状況等々の分析結果から見えてくる課題があると思われます。  そこで、本県の介護保険の課題をどのように認識しているのかお尋ねいたします。  また、今回の介護保険制度改革に盛り込まれた地域包括ケアの確立、地域密着サービスの創設という目標を達成するためには、利用者がみずから選択するための情報が行き渡っていることが重要になってきています。今回の改正に伴い、要介護者等が適切かつ円滑に介護サービスを利用する機会を確保するため、介護サービス事業者に対し介護サービス情報の公表を義務づける仕組みを整備することとしています。  そこで、介護サービス情報の公表の実施体制をどのように構築しているのかお尋ねいたします。  また、利用者の増加や新たな施設の設置に伴って、相談や苦情、トラブルも多くなってくると予想されますが、介護サービスに対する相談や苦情への対応にどのように取り組んでいるのかお尋ねいたします。  これらを踏まえ、市町村を中心として、さまざまな介護関係者がかかわり合いながら運営していく介護保険制度にあって、今後地方分権が一層推進され、保険者である市町村の機能が強化されていくと、広域自治体としての県の役割というものがこれまで以上に試されることになると思います。「介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針」改定素案にあるように、市町村への支援体制の強化や新たな仕組みに対応した人材の養成が県の重要な役割となってきますし、また地域の現場実態を踏まえた国への提言というものも重要になってくるのではないかと思います。  さらに、高齢者が介護を必要とする状態になっても、なるべく自宅に近い、住みなれた地域での生活を継続できるために地域密着型サービスをつくり上げていくのであれば、その地域地域の実情を把握し、そのニーズを反映して、地域との連携の橋渡しの機能を備えたものでなければならないと考えます。本当に地域に必要なものを用意しないと、地域密着型であるにもかかわらず、地域の人が入所しない、いわば地域に開かれていない、閉じた施設になってしまう心配もあります。  逆に、うまく地域の中に溶け込めれば、地域密着型サービスや地域包括支援センターを核とした地域づくりまちづくりの重要な役割を担う可能性もあるのではないかと考えます。  また、2015年には、いわゆる団塊の世代が高齢世代に達し、高齢化社会が一層進展してきます。  そこで、いわゆる2015年問題を見据え、長期展望に立った本県の高齢者介護の姿をどのように描こうとしているのかお尋ねいたします。  以上で、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(渡辺敬夫君) 執行部の答弁を求めます。    (知事佐藤栄佐久君登壇) ◎知事(佐藤栄佐久君) 中村議員の御質問にお答えいたします。  福島県のあるべき姿につきましては、私は、地域や地域住民から出発し、一人一人の住民が主役となる真の分権型社会、東京一極集中に象徴される強い者の論理とひとり勝ち社会の反省に立った、共生の論理に導かれた共生社会、みずから考え行動する自立心と新しい時代を切り開く、挑戦する心を大切にして、一人一人の個性や能力が自由に発揮できる社会、「いのち・人権・人格の尊重」に結びつく安全で安心な社会であると考えております。  うつくしま21においては、「一人一人が大切にされ、いきいきと生活できる社会の形成」と「持続的発展が可能な地域社会の形成」を県づくりの理念に掲げ、男女共同参画社会や循環型社会の形成などの施策に積極的に取り組んでまいりました。  しかしながら、予想を上回って進行している人口減少の状況も含め、近年の社会経済情勢が急激に変化していることから、現在重点施策体系の見直しを行っており、その中で子育て支援など次世代を開く仕組みづくり、過疎・中山間地域対策といった緊急課題への対応や、安全で安心な社会の形成などを新しい柱として位置づけ、さらには一人一人の住民が主役となる参加と連携による地域づくりなどの施策も総合的に推進するなど、福島県のあるべき姿、すなわち二十一世紀をリードする「美しいふくしま」の実現を目指してまいる考えであります。  その他の御質問につきましては、関係部長から答弁いたさせます。    (総務部長野地陽一君登壇) ◎総務部長(野地陽一君) お答えいたします。  行政サービスの範囲についてでありますが、地域活性化や住民福祉の向上を図ることを基本に、受益者が不特定多数であって料金の徴収が適当でないものや、公平の確保を図るための給付等、民間部門での供給が困難であるサービスは行政が担っていく必要があります。  こうした中で、従来公的サービスと言われた分野でも民間の活動範囲が拡大する一方、新たな課題が発生するなど、行政サービスへの要請は絶えず変化していくため、常にこうした環境変化に適切に対応していく必要があると考えております。  次に、公共サービスと行政のかかわりについてでありますが、NPO活動等の活発化に見られるように、公共サービスは行政のみが担うものではなく、住民みずからも担っていくとの認識が広まりつつあるところであります。  そのため、今後とも住民の主体的な取り組みに対する法的、社会的制度の改革を進めながら、NPO等との連携・協力事業の推進、指定管理者制度の活用、民間委託の計画的な実行などを通じ、住民団体を初めNPO、企業等の多様な主体の力を結集した新たな社会システムを構築していく必要があると考えているところであります。    (企画調整部長内堀雅雄君登壇) ◎企画調整部長(内堀雅雄君) お答えいたします。  県民ニーズの把握につきましては、重点施策体系の見直しに当たり、地域懇談会を初め県民意識調査や有識者から成る研究会での調査研究、総合計画審議会における審議、さらには県民意見公募などを通して、県民各層から多様な意見、要望をいただいたところであります。  これらの意見、要望からも、急速な少子化や県内人口の減少への対応、後継者不足などが深刻化している過疎・中山間地域対策、安全で安心できる県民生活の確保に向けた施策の充実強化、地域が主役となる参加と連携による取り組み、部局横断の有機的な連携による施策展開等が重要な課題であると認識しているところであります。  次に、重点施策体系の実現につきましては、厳しい財政状況の中で、これまで以上に効果的、効率的な施策展開が求められていることから、今回の見直しに当たり、領域を越えて産学民官が連携する、超学際的視点に立った取り組みの推進を新たに盛り込むとともに、地域の実情に応じ、地域がみずから考え行動する取り組みへの支援、県、市町村、地域づくり団体、NPOなど、さまざまな主体の役割分担の明確化とその連携、部局間連携の徹底などにこれまで以上に努めてまいる必要があると考えております。  次に、水に関する各種計画との関連につきましては、大量消費、大量廃棄型のライフスタイルによる水環境への負荷の増大や市街地の拡大による都市型水害など、複雑多様化したさまざまな問題について、個別の計画単独では対応が困難になってきている状況を踏まえ、総合的な水管理計画は、森・川・海を一体とした流域の健全な水循環を確保するため、水に関する各種計画を有機的、一体的に連携させ、包括する計画とし、基本的な考え方、施策の方向等を示してまいる考えであります。  次に、基本的な課題につきましては、近年、地球環境の変化によると考えられる洪水や渇水の発生、高齢化、過疎化の進展等に伴う農業・農村や森林の有する多面的機能の低下、生活排水や化学物質などによる水の汚染、水域の生態系の変化等、健全な水循環を阻害する問題が生じております。  また、高度経済成長を契機として、都市化を初めとした社会経済の急激な変化が水と人との距離を遠ざけ、そのかかわりがより希薄になっていることから、水と人との関係の重要性を認識するとともに、良好な関係を再構築していくことが大切であると考えております。  次に、本県の水環境のあるべき姿につきましては、二十一世紀は水の世紀と言われているように、水は今世紀の最も重要な資源であり、良好な水環境は未来の世代に引き継いでいくべき貴重な財産であると認識しております。  本県は、水質が2年連続日本一となった猪苗代湖などの湖沼群を初めとして、世界にも誇れるすぐれた水環境を有していることを踏まえ、計画の策定に当たっては、これらかけがえのない水環境を大切に保全していくことを柱に織り込みながら、健全な水循環の確保に努めてまいる考えであります。    (生活環境部長根本佳夫君登壇) ◎生活環境部長(根本佳夫君) お答えいたします。  福島県地球温暖化防止対策地域推進計画につきましては、地球温暖化が将来の世代にわたって影響を及ぼすことが懸念される中、京都議定書が発効し、本県におきましても、より一層の温暖化防止対策を推進する観点から改定を行うものであります。  改定に当たりましては、県内における温室効果ガス排出の現状や将来の予測について調査するとともに、審議会や県民の御意見などを踏まえながら、家庭や事業所などにおける省資源.省エネルギーの徹底、太陽光を初めとする新エネルギー導入の推進、二酸化炭素吸収源としての森林の適切な整備・保全など、より実効性のある対策を盛り込み、県民、事業者、行政が一体となって地球温暖化防止に向けた取り組みをさらに推進してまいる考えでございます。  次に、悪質な住宅リフォーム業者への対応につきましては、県消費生活センターにおいて土木部と連携し、技術的な相談についても対応するとともに、相談内容に基づき、契約解除などに関する助言やあっせん、さらには消費生活センターニュースや出前講座等による啓発などを行っております。  また、県の各種広報媒体の活用を初め県防犯協会や民生委員等の協力を得て、広く高齢者の注意喚起を図り、被害の防止に努めてきたところであります。  今後とも、これらの施策を適切に実施し、被害の未然防止を図るとともに、県消費生活条例などの規定に基づき対処してまいりたいと考えております。  次に、不当取引専門指導員の活用につきましては、高齢化や情報技術の進展などを背景として悪質商法の手口が巧妙化していることから、昨年度、県消費生活条例を改正し、規制を強化したところであります。  その実効性を確保する観点から、今年度、悪質な手口の早期解明と迅速な対応を図るため、専門的知識を有する指導員を配置し、県消費生活条例などに違反する疑いのある事業者の実態調査を行うなど適切に対応し、安全で安心できる消費生活の環境づくりに積極的に取り組んでまいる考えであります。    (保健福祉部長村瀬久子君登壇) ◎保健福祉部長(村瀬久子君) お答えいたします。  介護保険事業支援計画の策定につきましては、現在、各市町村において次期計画期間における介護サービスの見込み量を推計中であります。  今後、その推計結果を基礎としながら、高齢保健福祉圏域ごとの見込み量を設定するとともに、サービス提供に必要な基盤の整備や人材養成等の支援方策などを盛り込んだ計画案を作成し、学識経験者や保健医療関係者等から成る懇談会での議論を初め広く県民からも御意見等をいただきながら、来年3月を目途に策定することとしております。  次に、介護保険の課題につきましては、制度創設時と比較いたしますと、平成16年度においては、要介護認定者数で約1.6倍、給付費で約1.8倍と大幅に伸びており、加えて高齢化のなお一層の進展をも勘案すると、持続可能性の高いシステムへと転換していく必要があると考えております。  そのためには、今後、軽度者の大幅な増加への対応として予防重視型システムの確立、さらには高齢者独居世帯や認知症高齢者の大幅な増加への対応として、介護を身近な地域で支えるための新たなサービスの提供体制を整備していくことが重要な課題であると認識しております。  次に、介護サービス情報の公表につきましては、介護保険法の改正により、平成18年度から、介護サービス事業者にその提供する介護サービス情報の県への報告が義務づけられることになりました。さらに、報告された内容については、事実かどうかの確認調査を行い、その結果をインターネットなどで公表する仕組みとなっております。  県といたしましては、この制度が円滑に実施できるよう、今年度より調査員の養成や指定調査機関等の選定に取り組むとともに、公表システムを整備し、実施体制を構築してまいりたいと考えております。  次に、相談や苦情への対応につきましては、介護サービス事業者に対し、苦情相談窓口を設置するよう指導助言を行うとともに、市町村が利用者等に介護相談員を派遣する事業や、制度上の苦情処理機関として位置づけられている国民健康保険団体連合会の苦情処理業務に対し支援を行うなど、多様な相談、苦情処理体制の整備に努めているところであります。  次に、長期的展望に立った高齢者の介護につきましては、今般の介護保険制度改革において、基本理念である高齢者の自立支援と尊厳の保持をより徹底する方向性が示されておりますが、県といたしましては、高齢者が介護が必要な状態になっても、住みなれた家庭や身近な地域で尊厳を保って生き生きとした生活を営んでいけるよう、介護サービスの計画的な基盤整備や質の向上に向けた取り組みを推進するとともに、疾病予防や介護予防などの健康づくり、さらには生きがいづくりの取り組みを一体的に推進し、明るく活力ある超高齢社会の実現を目指してまいる考えであります。    (農林水産部長松本友作君登壇)
    農林水産部長(松本友作君) お答えいたします。  二酸化炭素吸収源対策としての森林の整備・保全につきましては、森林の有する地球温暖化防止等の多面的機能を持続的に発揮させるため、森林の整備・保全を計画的に推進することが極めて大切であると考えております。  このため、県といたしましては、平成18年度から導入する森林環境税も有効に活用しながら、二酸化炭素吸収源としての機能を高めるため、間伐の積極的な推進や、より長い期間育成する森林であります長伐期林、複層林、広葉樹林等への誘導など、多様で健全な森林の整備を進めるとともに、山地災害の未然防止や保安林の改良、保育、さらには森林病害虫防除対策を講ずるなど、森林の保全に努めてまいる考えであります。 ○議長(渡辺敬夫君) これをもって、中村秀樹君の質問を終わります。  通告により発言を許します。15番馬場有君。(拍手)    (15番馬場 有君登壇) ◆15番(馬場有君) 15番、自民党議員会の馬場有であります。ただいま議長よりお許しをいただきましたので、通告順に従い、一般質問をいたします。  質問に入る前に、最近の景気動向を見ますと、株価が年初来の高値を更新し、設備投資と個人消費がかみ合い、踊り場から脱却し、再び景気が浮揚を始め、安定成長の足がかりと見られますが、市場最高値をつける原油高騰がもたらす諸産業の企業業績への影響が心配されます。特に、中小企業、零細企業を多く有する本県にとり、ようやく景気の回復に薄日を差してきた状況に暗い影を落としかねません。  原油価格の高騰の影響を受ける業種は、スーパーのレジ袋、ポリ袋、漁業、農業等の漁網、発泡スチロール、ビニールハウスの資材の価格上昇、運送業の燃料価格上昇等々、コストへの転嫁がすそ野の広い分野に波及しており、懸念されます。  県といたしましても、機を見るに敏であることを心がけ、県民生活への影響を最小限度に引きとめるため、スピーディーな施策を推進していただくことを期待し、質問に入ります。  初めに、佐藤知事の訪欧3カ国視察の成果についてであります。  知事は、行政視察のため、先月10日から21日までの12日間にわたり、県政の課題になっておるテーマを精力的に研さんされてきたと存じます。本定例会冒頭での知事説明に述べられましたように、この3カ国での行政視察は本県にとって喫緊の課題であります。  知事は、平成17年度の県政に当たっての考え方について、「強者の論理にかえて、社会を導く基本的な理念として共生の論理を据え、持続可能な社会の形成に地域から貢献してまいる決意であります。」と述べており、地域主義を強調しております。私も全く同感であり、グローバルスタンダード社会ではなく、地域の持つ伝統ある歴史、文化等の個性を大切にする、画一的な社会でない、共生できる承継社会の形成が必要であると考えます。  この欧州視察は、知事自身にとり、行政執行上時宜にかなう、勇気を与えられた実りのある視察ではなかったのかと存じます。  そこでお尋ねします。  フランス、イギリス、アイルランド訪問の主要課題であった国際人材育成、地方分権、文化振興、原発問題、市街地活性化のまちづくり等々についての感想がおありであると存じますので、その感想とその成果を今後の県政にどのように反映するのかお尋ねいたします。  次に、国際人を育成する中高一貫教育についてお尋ねします。  日本サッカー協会から、世界に通用する人材を育成する中高一貫の教育構想が本県に提案され1年が経過し、来年度には新しい学科、国際・スポーツ科がスタートの段階に入り、JFAアカデミー福島入学者の選抜試験も2次試験が終了し、いよいよ諸準備も最終局面に来ておると存じます。  私は、昨年の12月定例会においてもこの中高一貫教育についておただしをしておりますが、その時分は当局においては暗中模索であり、構想の域を超えないもので、富田教育長の答弁は、関係する町、学校などと連携を図り、地域の理解を得ながらその実現に向けて取り組んでまいると述べております。現在は、双葉地区教育構想のもとでこの連携型の一貫教育が明示され、教育、スポーツの振興が図られ、双葉地方の地域活性化に貢献されるものと考えます。  さて、9月15日に県、日本サッカー協会、フランスサッカー連盟の3者が協定書を締結し、JFAアカデミー福島とフランスのナショナルフットボール学院等がサッカー技術や教育等の多方面からの協力関係を構築され、真の国際人育成が期待されます。  そこで、富岡高校においてこの3者協定を今後どのように生かしていくのかお尋ねします。  第2点目、富岡高校に国際スポーツコースを新設し、全国より優秀なスポーツの生徒が応募し、従来の県下では全く見られない、新しい高校像ができると思います。高校生らしい知識、人格、モラルを当然身につける教育観念はもちろんでありますが、生徒のモチベーションを引き出す新しい教育環境の場の設定になるものと考えられます。  特に、このスポーツコースは、スポーツのスペシャリストとして世界で活躍することを目標とされております。心身をともに鍛え、みずからの具体的な夢に向かって挑戦する学びの場になるのではないかと期待されます。  そこで、この国際スポーツコースにおいてどのようなカリキュラムを編成し、指導体制をどのように充実させていくのかお尋ねします。  第3点目、この新生富岡高校は、国際コミュニケーションコース、福祉健康コース、国際スポーツコースとそれぞれコース制がとられ、従来の教育環境とは様相を一変いたします。つまり、国際コミュニケーションコースでは特に語学に力点が置かれ、福祉健康コースでは社会福祉関係の教育に基礎を置き、さらには国際スポーツコースではスポーツのスペシャリストを養成するなど、それぞれ特徴あるコース課程になると思われます。  そこで、本定例会に補正予算が計上されているようでありますが、この新生富岡高校において、世界を舞台に活躍できる人材を育成するのにふさわしい施設設備をどのように整備するのか、考えをお尋ねします。  第4点目、双葉地区の連携型中高一貫教育は、今後全県下で学校教育の注視の的になり、特徴のあるモデル校になると期待されます。地元では、「スポーツの里ふたば」を標榜し、全国から集まる生徒を温かく歓迎する機運が醸成されております。  御承知のように、高校球児のあこがれは甲子園出場であり、ラグビー選手のあこがれは花園への出場であります。ナショナルサッカートレーニングセンター、Jヴィレッジを核とする双葉地区は、全国の中高生サッカー選手の羨望の的であり、このサッカーによる人材育成機関にぜひ参加し、ワールドカップに出場したいという生徒が多く輩出できればと期待が膨らみます。  さらに、先ごろ日本女子プロオープンゴルフトーナメント大会が開催され、宮里選手や10代の若手の女性が台頭し、大いに盛り上がりました。ゴルフにおいても、これらのメジャートーナメントに出場できる生徒が多く出ることを期待し、さらにバドミントンにおいても、全日本、国体等、日本を代表する優秀な生徒を育成できればと思います。福島の「スポーツの里ふたば」から全国に発信できる新しい教育像をつくっていただきたいと存じます。  そこで、この中高一貫教育の新たな取り組みをモデルとして、今後本県の教育にどのように生かしていくのかお尋ねいたします。  第5点目は、全国から集まるJFAアカデミー福島の生徒の受け入れについてであります。  対象になる生徒は、13歳から18歳という多感な年代であります。特に新中学生になる生徒は、小学校の生活は親の保護を受け、自分の考えが定まらない不安定な年ごろでありますが、このJFAアカデミー生になることは、親元を離れ、これまでの友人と離れ、自分が育った環境とは全く相反する立場に置かれ、心身への影響が心配されます。さらに、地元生徒との融和問題、寮生活での不安等が懸念されます。  そこで、これら情操教育の大切な時期での生徒の受け入れのために、地元関係町村と連携をとり、関係機関と協議して万全を期すると思いますが、この生徒の受け入れ体制はどのようになっているのかお尋ねします。  次に、道路行政についてであります。  7月の下旬から8月上旬に、我が党の移動政務調査会が七つの生活圏において、市町村会、基礎自治体の首長、友党・友好団体、関係機関が出席し、要望聴取会を開催し、あらゆる角度から切実な要望を承ってまいりました。  その中で、8割強は道路に関する内容であり、特に地域の生活道路の改良要望が非常に多く、予算上の問題があり、回答に窮する場面が多々ありました。土木部にもかなりの改良要望が提出されていると存じますので、誠意ある説明を期待します。  さて、福島県新道路計画を平成15年度に策定し、そこでは県民の視点に立つことを基本として、住民と行政が「ともに考え、ともにつくる道づくり」という観点から道路整備を進めるとあります。  さらに、この道路計画に基づく基本方針の一つに、地域の実情に見合った道路整備とあり、これからは地域の皆様の御意見を尊重し、その地域特性を踏まえ、地域の実情に見合った道路の整備に取り組んでまいりますと述べております。これは非常に大切なことであり、道路行政を推進するために地域住民と直接対話し、コミュニケーションを強めることがお互いの信頼性を醸成するものと考えます。  申すまでもなく、公共事業予算削減の中、限られた予算においてこの地域の生活道路をすべて改良することは困難であることは理解いたしますが、地域に根差し、地域に生活する住民にとっては、自分の生活道路は必要不可欠なものであります。  そこで、地域の生活を支える県道の整備について、今後どのような方針で取り組むのかお尋ねします。  次に、少子化対策についてであります。  県は本年度重点分野の一つとして少子化対策の推進を挙げ、従来の新うつくしま子どもプランを全面的に見直し、新たなうつくしま子ども夢プランを策定し、平成17年度から21年度までに施策の大項目を六つに分け、最終年度までの目標値を挙げ、具体的に施策の展開をされることは、県民にとり認識が進み、わかりやすい行政と映ると存じますので、目標値に限りなく近づくよう鋭意努力していただきたいと思います。  さて、この少子化と書かれるようになったのは、平成4年の国民生活白書が初めてだそうであり、その白書の副題は「少子化社会の到来―その影響と対応」であります。余りセンセーショナルになりませんでしたが、これまで国立社会保障・人口問題研究所は、5年ごとに出生率の将来予想を発表し、当時はいずれは出生率が再び上昇するという楽観的な見通しを持っていたようであります。  しかし、さきの白書から10年後の平成14年度には合計特殊出生率は1.32になり、これは人口維持に必要とされる2.1の3分の2にも満たない数値になり、減少に転じ、翌年は1.2九まで減少したことは周知のとおりであり、深刻な状況であります。本県においても、全国の水準は上回っておりますが、年々出生率が着実に減少し、少子化が進行しております。  少子化の原因は、大きく分けて3点になると言われております。一つは、女性の高学歴化、就業機会の増大により、キャリアウーマンの社会進出で未婚化、晩婚化が挙げられ、2点目は、仕事と子育てを両立できる環境が十分に整っていないことが挙げられます。第3点目には、子育てに対する費用負担の増加、すなわち子育てや教育にお金がかかり過ぎるという視点であります。  この原因について早急に対処するための即効薬はないと思いますが、うつくしま子ども夢プランの多方面からの重点施策を着実に実行すれば、子供を産み育てることができ、少子化に歯どめがかかるものと確信します。  しかし、以上述べましたように、少子化の原因は多岐にわたるものでありますことから、施策を推進するに当たっては、各部局がそれぞれ縦割りで取り組むのではなく、連携して部局横断的に取り組むことが必要不可欠ではないかと考えます。  そこで、少子化対策について県はどのような体制で取り組んでいくのかお尋ねします。  次に、ふくしま産品の振興についてであります。  本年1月、ふくしま産品振興基本方針が策定され、さらに6月にはアクションプログラムの方針ができ、産品振興に弾みがついてきたように思います。  先進地事例では昔、大分県が一村一品運動を実践し、ブームを起こしたことは記憶に新しいものであります。これは、地域地域ごとに生活する住民の方々が、特徴ある誇れる産品を熱意と愛情によって手塩にかけた製品ばかりで、ブランド力のない産品であったようですが、努力の結果、消費者の支持を受けて、全国に通用するブランドに育った産品も何点か産出したことは周知のとおりであります。  この成果が出るまでは相当の時間とエネルギーを費やしたと聞いておりますが、本県においても、地味ではありますが、相当数の品質の高い産品の宝が至る地域に生まれており、資源が豊かであり、地域住民の意識から育つ活性化を大切にしなければならないと考えます。  私は、食品でいえば食味、新鮮さ、風味、値ごろ感、珍しさが消費者の支持を受けてブランド力を高めると思います。工芸品でいえば実用性、希少性、巧みな技術等がブランド力を高めると考えております。  さて、本年度は、このふくしま産品基本方針に基づき、いろいろな施策の展開をしておりますが、マスメディアを使い、県の積極的なPR作戦が必要と存じますので、今後5年間、この推進を図る重要な期間でありますので、この年度開始より上半期が終了しましたが、ふくしま産品の振興を目指した現時点までの事業の実施状況と今後の取り組みについてお尋ねし、私の…… ○議長(渡辺敬夫君) 発言者に申し上げます。 ◆15番(馬場有君) (続)一般質問を終わります。(拍手) ○議長(渡辺敬夫君) 執行部の答弁を求めます。    (知事佐藤栄佐久君登壇) ◎知事(佐藤栄佐久君) 馬場議員の御質問にお答えいたします。  欧州3カ国の視察につきましては、地方分権が進展する中での自立した地域づくり、一人一人の個性の尊重、伝統文化や多様性の重視など、欧州各国の底流にある確固とした考え方を改めて認識してまいりました。  特に、フランスのコミューン共同体議長との面談では、「小規模コミューンが存在することで身近な民主主義が実現できる」という地方自治体への思いや、リール市では、文化が経済の活性化や地方分権、まちづくりなどさまざまな発展のエンジンの役割を果たしているという貴重な御意見を伺うことができました。  また、フランスでは、原子力政策の決定に当たって、国民の理解のもとに進めることを基本としており、まず専門家が徹底した調査研究を行いながら、その内容を国民に十分に説明した後、国会の審議を経て決定されており、政策決定プロセスに大変な努力が払われていることを実感してまいりました。  今後の施策の展開につきましては、本県とフランスサッカー連盟、日本サッカー協会で締結した協定に基づき、JFAアカデミー福島や双葉地区教育構想の実現を通して、世界を舞台に活躍できる人材の育成を目指すとともに、これを本県の教育改革にもつないでまいりたいと考えております。  そして、地域に強い愛着を持ち、地域の将来をみずからの責任で決定するという、フランスのコミューンにおける地方自治の考え方などを参考にしながら、住民が主役となる地方分権型社会を実現するための政策提言や、その実践に向けた取り組みに反映させてまいりたいと考えております。  また、NPO、市民のアイデアを生かし、その活動への支援等を通じて文化振興を図る取り組みや、文化振興を起爆剤として地域づくりを進めていこうとする考え方を、来年度開催予定のEU・ジャパンフェスト事業の具体的な構築や展開に生かしていくなど、文化を起点とした個性あふれる地域づくりに取り入れてまいる考えであります。  さらに、英国のまちづくりの基本戦略である「持続可能な発展とコンパクトなまちづくり」の考え方を、本県の商業まちづくり推進条例に基づく基本的方針に取り入れるとともに、ノッティンガム市における中心市街地再生策の考え方を参考にしながら、新たな交通施策や土地利用誘導方策等、本県のまちづくりに生かしてまいりたいと考えております。  今回の視察で学んだ数多くの考え方や取り組みについて、今後の本県の施策等に具体的に反映し、二十一世紀をリードする「うつくしま、ふくしま。」の実現を目指してまいる考えであります。  その他の御質問につきましては、関係部長から答弁いたさせます。    (保健福祉部長村瀬久子君登壇) ◎保健福祉部長(村瀬久子君) お答えいたします。  少子化対策につきましては、安心して子供を産み育てることのできる社会の実現が重要であるとの認識に立ち、これまで副知事を本部長とする少子高齢社会対策推進本部を設置し、さまざまな施策を着実に推進してきたところであります。  さらに、今年度からは、部局間のより緊密な連携を図りながら重要施策に取り組むため、子ども施策担当理事のもと、庁内19グループ等で構成するプロジェクトチームを立ち上げ、県民への意識調査等を実施するなどして、政策課題の抽出や連携事業の構築に取り組んでおります。  今後とも、全庁的な体制のもと、一層の連携、調整を図りながら、少子化対策に積極的に取り組んでまいる考えであります。    (商工労働部長鈴木雄次君登壇) ◎商工労働部長(鈴木雄次君) お答えをいたします。  ふくしま産品の振興につきましては、県内の魅力ある産品をより多く発掘し、国内外により多く売り込むため、具体的な取り組み項目を盛り込んだアクションプログラムに基づいて、専門家の派遣等による新たな産品の開発支援や、百貨店や外食産業等を活用した販売促進のほか、首都圏の大型量販店や中国などでの県産品フェアの開催等による販路開拓を実施してきたところであります。  今後はさらに、消費者動向の把握や商談会の設定に努め、意欲のある生産者に有益なビジネスの情報や機会を提供するなど、消費者や生産者の視点に立ってふくしま産品のブランド力を高めるために、引き続き商品開発、販売促進、販路開拓に戦略的に取り組んでまいります。    (土木部長蛭田公雄君登壇) ◎土木部長(蛭田公雄君) お答えいたします。  地域の生活を支える県道の整備につきましては、地域間の交流や県民の安全で安心な生活を支えるため、それぞれの道路の利用状況や地域の実情に応じて、改良工事を初め歩道設置、落石対策など必要な対策に取り組んでいるところであります。  今後とも、限られた予算の中で真に必要な箇所は着実に整備を推進するとともに、地域要望にできるだけ多くこたえるため、地域のニーズを的確に把握し、地域住民とともに現地を歩き、考え、既存の道路を有効に活用する対策など、地域に見合ったきめ細かな県道の整備に取り組んでまいる考えであります。    (教育長富田孝志君登壇) ◎教育長(富田孝志君) お答えいたします。  フランスサッカー連盟等との協定につきましては、サッカー技術の向上のみならず、教育、文化など幅広い分野における発展を目的として三者間で協力していくこととされており、富岡高校におきましても、サッカー指導者の招聘やフランスのナショナルサッカー学院等との交流を通じ、国際的視野に立ち社会をリードする人材を育成するという目標の達成に生かしてまいる考えであります。  次に、国際スポーツコースにおきましては、単位制の特色を生かし、国際理解や語学及び体育理論や実技などの多様な講座を開設し、進路に応じた科目選択ができるカリキュラムを編成することとしております。  また、生徒に世界に通用する高い専門性と国際性を身につけさせるため、日本サッカー協会を初めとする各種協議団体や福島大学、JICAなどと連携を図りながら、充実した指導体制を整備してまいる考えであります。  次に、富岡高校の施設設備の整備につきましては、バドミントンの公認試合ができる体育館や屋上にゴルフケージを備えた学科棟、人工芝のサッカー場等を整備する予定であります。  さらに、英語やフランス語等に対応するLL機器、介護用ベッドや浴槽などの福祉機器、最新のトレーニングマシンなども整備してまいる考えであります。  次に、双葉地区の中高一貫教育の新たな取り組みにつきましては、日本サッカー協会を初め関係町、関係団体、大学等と連携し、スポーツの技術向上のみならず、豊かな人間性と確かな学力をはぐくみ、地球時代の開拓者を育てる総合的な教育により、国際人として社会をリードする人材を育成するものであります。  この新たな取り組みの成果を県内に広く波及させるとともに、全国に発信し、従来の学校教育の枠組みにとらわれない本県独自の教育を構築してまいる考えであります。  次に、生徒の受け入れ体制につきましては、関係町と日本サッカー協会の協力を得ながら、親元を離れて生活する生徒を温かく受け入れるための支援のあり方について具体的に検討しているところであります。  また、学校においても、生活面や学習面のきめ細かな相談ができる体制を充実させるなど、生徒が安心して過ごせる環境づくりに万全を期してまいる考えであります。 ○議長(渡辺敬夫君) これをもって、馬場有君の質問を終わります。  暫時休憩いたします。    午後2時49分休憩                 午後3時8分開議 ○副議長(小桧山善継君) この際、私が議長の職務を行います。  休憩前に引き続き、これより会議を開きます。  直ちに、質問を継続いたします。  通告により発言を許します。13番長谷部淳君。(拍手)    (13番長谷部 淳君登壇) ◆13番(長谷部淳君) 日本共産党の長谷部淳です。  私は、最初に9月11日投票の総選挙の結果について触れておきます。総選挙の結果は、民意をゆがめる小選挙区制度の害悪があらわになりました。政権与党の得票率は、県内小選挙区で47.7%、全国では49.1%、県内比例代表では51.5%、全国でも51.1%、いずれも民意の半分、自民党に至っては、全国の小選挙区での得票率47.8%でありながら、議席占有率は73%、4割台の得票で7割台の議席という民意との甚だしい乖離を生みました。選挙後の共同通信社の世論調査では、郵政民営化法案を「慎重審議すべきだ」が53.4%で、郵政民営化が国民の支持を得たとはとても言えません。NHKのやはり選挙後の世論調査では、自民党の議席について「もっと少ない方がよかった」が53%と圧倒的ですから、ゆがめられた民意への懸念が現在の民意と言えます。  今回の選挙結果について、小泉改革のさらなる推進を国民が望んだかのような受けとめを知事は表明しましたが、その受けとめは違うと私は指摘せざるを得ません。  9月24日に内閣府が国民生活に関する世論調査結果を発表しましたが、「医療.年金等の社会保障構造改革」が2年連続のトップで61.3%でした。私はこの声に真摯にこたえることが行政執行のかなめだと思います。  さて、質問の最初に、国による、分権推進と称する地方行革の押しつけと、県の姿勢についてお尋ねいたします。  総務省はことし3月、地方公共団体における行政改革の推進のための新たな指針を策定し、各自治体に通知しました。これによれば、各自治体は、今年度から09年度までの集中改革プランをつくって今年度中に公表し、そのプランには、事務事業の再編・整理、民間委託などの推進、職員定員削減目標の設定など、9項目を盛り込むことを指示し、さらにフォローアップの公表を求め、文字どおり国と都道府県の指導のもと、政府の意向に沿った行革を徹底させようとするものです。  政府の言う地方分権にも真っ向から反し、地方自治を根本から踏みにじるものと思いますが、知事はこの新指針の内容に基づいて実行するおつもりなのかどうか、お尋ねいたします。  これまでも県は、指定管理者制度や地方独立行政法人化制度などを活用して、社会福祉施設の民営化、県立病院の統合・廃止、県立大学の法人化という三大切り捨てを進め、地方自治体としての役割を縮小・撤退させてきました。本来の行政改革とは、憲法が定める国民の権利と、憲法前文にある国民の福利の実現、具体的には福祉・教育など県民の暮らし応援、雇用、地場の中小企業、農林水産業の振興が目的であるという基本的立場を明確にすべきであります。  県が進めてきた行革は、厳しい行財政状況や限られた財源を理由に、公務・公共部門から撤退し、支出抑制することを目的として行われているのではないでしょうか。行革を進める根本的な目的について知事の見解を伺います。  支出抑制の一手段として職員削減が進められていることも問題です。大体、人口1,000人当たりの公的部門における職員数の国際比較では、総務省のホームページ掲載の資料を見ても、日本は断トツに低くなっています。すなわち、イギリス73人、フランス96人、アメリカ81人、ドイツ58人に対し、日本は35人です。そのうち地方政府職員もイギリス35人、フランス40人、アメリカ66人、ドイツ45人に対し、日本は24人です。このように、異例とも言える少なさであり、十分過ぎるほどの小さな政府が日本です。  それなのになぜ公務員削減を各自治体に押しつけているのかと言えば、「歳出カットの大きな目玉として公務員の問題が残っている。それに早く手をつけ、歳出削減の余地がなくなれば消費税に手をつけないといけない。」という日本経団連の奥田会長の言葉を引くまでもなく、経済界の利益を国の政策全般に全面的かつストレートに貫徹させようとする国の行革方針があるからです。  私は、国によるこうした理不尽な職員削減策には反対し、とりわけ30人学級を支える教育、消防防災部門、福祉・医療の部門では県として雇用をふやすべきだと思いますが、知事の見解をお示しください。  もとより公務・公共部門における施策内容や手続、手法に国民の権利利益と相反する非民主性があり、これに対する国民の根強い批判と不信があることは明らかです。  こうした批判や不信に対しては、施策内容を県民の権利利益に資するように徹底して改めること、行政の責任による借金のツケを県民に押しつけないこと、行政に対する議会による統制を強化すること、情報公開を促進すること、行政の決定・執行過程に県民の参加を保障すること、オンブズマン制度の創設など、公務・公共部門の民主化をこそ課題とすべきであり、公務員削減でこたえる筋合いの話ではありません。  また私は、公務・公共部門のサービスをすべて公務員が担わなければならないとは思っていません。NPOや住民団体など、住民が参画する多様な主体が担うこともあり得るでしょう。  私が危惧するのは、公的サービスの提供主体が民間にかわることによって発生するであろう問題に、県が対応する姿勢が明らかでないことです。例えばサービスを民間化することで、コスト削減が図られると県は言います。その場合、労働者の労働条件をどう考えるのか、労働条件が低下した場合に行政にどういう影響を与えるのか、公的サービスの専門性はどう確保されるのか、サービスをさまざまな組織にゆだねることで、サービスが断片化、分散化して総合性が欠如するのではないかといった副作用への対応があるのでしょうか。  私はこの件にかかわって、昨年12月議会で、既に民間開放されている介護保険の現場で、7割のホームヘルパーが非常勤であり、時間細切れ型のマニュアル労働に追われ、福祉現場から対話が消え、機械的作業が進行している危惧の声や、ケアマネージャーが「常時ストレスを持ちながらゆとりのない仕事を余儀なくされている」との行政側評価も紹介し、その改善・支援策を求めました。  ことし3月に報告された県社会福祉協議会のケアマネージャーの就労実態調査においても、人員体制が少ないという声が圧倒的に多く、自由記述欄では、行政的に支援できる体制、処遇についての公的援助、利用者への不公平・不公正・不利益をふやさないための行政の積極的かかわりを求める声が出されています。  介護保険に限らず、いわゆるアウトソーシングによって、県はこうした副作用をどう想定し、それに対応する方針が明確なのか、特に多様な主体の責任を県としてどう確保するのか、また行政との協働をどう実現するのかを示す責任があると思います。知事の責任ある見解をお示しください。  さらに私は、県の人事制度において、人材育成の観点から能力、業績を反映できる評価制度、給与制度の検討についても触れておきます。  言うまでもなく県の職員は、現行憲法の国民主権原理のもと、県民の信託に基づき、県民の福利の実現のために奉仕すべき県民全体の公務員です。その業務の特性は、行政責任、継続性・安定性・総合性、公正性・中立性、住民奉仕性にあります。  県の職員はこうした業務の実施だけではなく、住民要求を把握し、政策立案に反映させるなどの政策形成にかかわることも期待されています。これらを遂行するに当たって、個人だけでなく、組織として発揮することが求められ、また公務の専門性もこうした集団の中で育成、形成されているのではないでしょうか。  成果主義による評価制度や給与制度は、民間においても既に利己的に行動する職員をつくり、職場のチームワークを阻害する、マイナス評価を個人、職場で隠蔽するモラルハザードを引き起こす、失敗を恐れチャレンジ精神が減退するなどの問題が指摘されているところであり、公務職場への導入をやめるべきだと思いますが、知事の見解をお示しください。  次に、防災対策について伺います。  地域防災計画における災害時要援護者予防対策では、在宅者の安全性を高めるとして市町村へ必要な補助・助成措置を求めています。私はこの点で、高齢者、障がい者がいる住宅への自動消火装置の設置を市町村の責任で行えるよう、県が必要な支援をすべきだと思いますが、考えをお聞かせください。  また、要援護者に対し一人一人について避難支援計画を策定することは国も指摘しているところであり、個別の具体的な体制づくり、市町村の担当者が高齢者、障がい者を担当できる体制、医療・福祉用具などで常に必要なものを入手する方法を明確にしておくことが求められますが、現状についての県の認識と今後の対応をお聞かせください。  そして、住宅の耐震化は在宅者の安全性を高める基本だと思いますが、県の取り組み状況と今後の方向をお聞かせください。  さらに、土砂災害の未然防止のために、県として民地対策、特に人家裏山の急傾斜地対策を1戸から採択対象とするきめ細かな防災事業ができるように基準の緩和をすべきだと思いますが、見解をお示しください。  次に、介護保険について伺います。  改定介護保険法により今月から施設利用者の居住費、食費が新たに負担増となりますが、私はまず、これまでの介護保険の実情を県がどのようにとらえているのか、以下お伺いします。  65歳以上の方のうち介護保険サービスを受けているのは、居宅が約4万3,000人、施設が約1万4,000人、合計約5万7,000人ですが、これは保険料を払わされている方々の1割強にすぎません。また、要介護認定者のうちほぼ2割の方はサービスを受けていません。医療保険では、窓口負担を増大させることで意図的な受診抑制策が国によってとられているものの、医療機関に対するフリーアクセスが保障されており、保険医療機関に受診に来た被保険者のほぼすべてが療養の給付を受給することと比べれば、異様な状態だと私は思います。  県は、受給者が毎年ふえていると強調しますが、65歳以上の被保険者の1割強の利用しかないこと、要介護認定者の2割は利用していないことについて、その要因をどう認識されているのか、より利用しやすい制度にするために、県はどういう考えをお持ちなのかお答えください。  また、居宅では受けてもいいサービス量の4割程度しか受けていません。例えば、最重度の要介護5の要介護者で、月額約36万円の支給限度額に対し、要介護1の支給限度額をやや上回る約17万円程度のサービスを利用しているにすぎません。  いつどこでどんなサービスを利用するかを、利用する本人が選べるはずの介護保険制度ですが、利用者、家族が抱えている困難という側面から、受給がこのように抑制されている事態を県はどのように認識し、改定された制度の中でどのように打開しようという考えなのか、お聞かせください。  さらに、居宅サービスの整備状況を見ると、リハビリや短期入所、グループホームなどで地域間格差が大きくなっています。県民にあまねく公平なサービス提供体制を目指す県として、この格差をどう認識し、どのように是正されようとするのか、その方策をお示しください。  施設整備については、07年度末までに介護3施設1万7,000人の定員整備が知事の公約です。介護療養型医療施設への転換がはかばかしく進まないもとで、来年、再来年度の2カ年のうちに、特別養護老人ホーム、老人保健施設、この2施設でおよそ2,000人定員の整備を進める必要があると思いますが、特別養護老人ホームの待機者が1万人を超えている現状の認識と公約実現への具体的方策をお聞かせください。  さて、今月からの自治体の対応について、東京都荒川区では、「自己負担がふえることで通所の利用が減ることなく、従来どおりの利用を続けてもらいたい」として、デイサービス利用者の食費に独自の補助を創設し、千代田区では施設入所者の一部の食費、居住費についても補助措置をとることにしました。県内においても、制度改定により、新予防給付導入で在宅生活が困難になる軽度利用者、施設での居住費、食費負担で入所を継続できなくなるなど、新たに生み出される困難層を県としてどのように考え、どう対応される考えなのかお示しください。  私は、利用者に新たに負担を求める食費、居住費について、県が市町村や事業所から利用者実態と要望を聴取し、県としての独自の助成措置を創設するよう求めますが、考えをお聞かせください。  この居住費、食費について、低所得者対策が講じられますが、いずれも毎年申請しなければ権利は発生しません。申請漏れがないように県はどのような対応をしたのか、あるいはするのかお聞かせください。  今回の改定で、地域における総合的なマネジメントを担う中核機関として、地域包括支援センターが創設されます。地域住民の心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な援助を行うことにより、その保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援することを目的とする施設ですから、この整備に当たっては、文字どおり行政責任が問われます。このセンターの体制では、社会福祉士、保健師、主任ケアマネージャー各1人が最低限必要になります。  市町村が設置することができる施設ですが、県民の保健医療、県民の福祉の向上を仕事とする県の財政的.人的支援が求められることになると思います。県は市町村がこのセンター整備を進めるに当たり、主体的にどのような支援策をとられるのかお聞かせください。  介護予防にかかわって、老人保健事業による訪問指導について伺います。訪問指導は県の高齢者いきいきプランにおいても充実を図るとされており、高齢者の引きこもり、寝たきり、重度化の予防、病気の早期発見にも資するものです。ひいては、医療費を減らし、国保・介護保険財政の安定にもつながるものです。  しかしながら、介護保険施行後は減少傾向に歯どめがかからないというのが実情だと思います。都道府県の格差も大きく、本県は下から数えた方が早い位置にあります。  住民の保健の向上、介護予防に対する地方自治の役割が問われ、分権を強調する本県の姿勢も問われることになります。  本県における訪問指導の減少傾向をどのように分析し、今後どのような目的でどのように充実を図るのかお聞かせください。  最後に、県警本部長に伺います。  昨年2月、北海道警察に長年勤め、釧路方面本部長を最後に95年に退職された原田宏二氏が、道警察における裏金システムを告発しました。  その後の経過で、北海道警察は、98年から03年度執行分について、約2億4,000万円を道へ返還いたしました。裏金づくりを認めたわけであります。  原田氏は、今年3月に出版した本でこう記しています。「本部長室では、警務部長の立会いのもとに、方面本部長や道警本部の部長、札幌方面管内の署長と道警本部の課長以上の所属長に辞令が渡される。警務課長が辞令を読み上げた後、総務課長の私が辞令と餞別の入った熨斗袋を本部長に手渡し、本部長が異動者に渡す」、「餞別の金額は1万から3万円で、辞令を受ける各自の階級に応じ、本部長室だけでなく警務部長室や各部長室などでも行われていた」、「餞別は、道警全体でシステムとして長年にわたって行われていた」、このように記しています。  綿貫本部長は、96年から98年までの間、北海道警察警務部長を務められました。昨年6月、県警でのせんべつの有無を私が尋ねた際、当時の本部長は「ないよう徹底を図っている」として、「ない」とは答弁されませんでした。本部長は北海道での体験から、こうした裏金づくりを警察から一掃する責務があると私は考えます。  北海道などで明るみになった、こうした公金を使った裏金づくりと、その使途の一つであるせんべつについて、その慣例が過去にさかのぼってあるかどうか調査されたのか、そして「ない」と断言できるのか、お尋ねいたします。  あわせて、県費と国費を合わせた捜査費について伺います。  2000年度と2004年度を比較して執行額は幾ら減っていますか。また、減った根拠について県民が納得できる説明を求めまして、私の質問を終わります。(拍手) ○副議長(小桧山善継君) 執行部の答弁を求めます。    (知事佐藤栄佐久君登壇) ◎知事(佐藤栄佐久君) 長谷部議員の御質問にお答えいたします。  行財政改革につきましては、私は、地方分権が進展し、社会経済情勢が大きく変化する中で、個性を生かした地域づくりを進めるなど、本県の進路を切り開く諸施策を効果的に展開し、県民福祉の増進を図るためには、限られた財源や人的資源を最大限に活用することが重要であると認識しております。  このことから、従来の考え方や制度の枠組みにとらわれることなく、時代の要請や変化に柔軟に対応できる行財政運営システムの確立に向けて、分権時代にふさわしい行財政改革を推進していく必要があると考えております。  その他の御質問につきましては、関係部長から答弁いたさせます。    (総務部長野地陽一君登壇) ◎総務部長(野地陽一君) お答えいたします。  いわゆる新地方行革指針につきましては、本県においては、分権型社会にふさわしい行財政運営の基盤の確立と組織風土の改変を図るべく、みずからの課題として行財政改革に取り組んでいるところであり、国が求める新地方行革指針に基づき示された取り組み項目にとらわれることなく、主体的判断により行財政改革を推進してまいる考えであります。  次に、定員管理につきましては、県民ニーズやさまざまな行政課題に迅速かつ的確に対応できるよう、うつくしま行財政改革大綱等に基づき、業務の抜本的な見直しやITの活用による業務の効率化等を図る一方で、さまざまな行政課題に柔軟に対応するため、各部門へ真に必要な人員配置を行うなど、簡素で効率的な業務運営に努めているところであります。  次に、アウトソーシングにつきましては、行政サービス水準の向上や、経費の節減等を目的として取り組むものであり、その実施に当たっては、サービス水準の確保や業務遂行状況の確認等、施設等の管理運営や県民へのサービス提供等について、受託者との緊密な連携のもと、引き続き県として、その責任を担うものであります。  次に、評価制度につきましては、社会経済情勢の急激な変化や県民の価値観の多様化等に伴い、ますます複雑・高度化する行政ニーズに迅速かつ的確に対応するため、主体的、創造的に業務に取り組む職員の育成を図る観点から、職員の能力や業績を的確に把握、評価し、人事配置や任用、給与等に適切に反映することが必要であると考えております。  このため、これまで以上に能力や業績を重視した新たな制度の導入に向け、引き続き検討してまいる考えであります。    (生活環境部長根本佳夫君登壇) ◎生活環境部長(根本佳夫君) お答えいたします。  市町村における災害時要援護者の避難計画につきましては、市町村が、自主防災組織や福祉関係者等との緊密な連携協力のもと、要援護者本人の同意を得ながら、一人一人の具体的な個別計画として策定されるものであり、災害時の計画的、組織的な避難支援を実施する上で重要であると認識しております。  このため、県といたしましては、市町村の計画策定を促進するため、ことし3月に策定された避難支援ガイドラインに基づき、必要な助言を行っているところでありますが、今後とも、地域の実情に応じた市町村における災害時要援護者の避難体制が、より一層確保されるよう支援してまいりたいと考えております。    (保健福祉部長村瀬久子君登壇) ◎保健福祉部長(村瀬久子君) お答えいたします。  自動消火装置の設置につきましては、従来より、要援護高齢者や重度障がい児者のための日常生活用具給付事業の対象品目として市町村に助成しており、今後とも、防災対策の一つとして活用促進を図ってまいりたいと考えております。  次に、介護サービスの利用につきましては、介護サービスは、利用者本位を基本としており、本人の意向や家族による介護の状況などに基づき、必要なサービスが利用されているものと考えております。  次に、サービスの受給につきましては、本人の心身の状況や置かれている環境等に応じて、本人の選択に基づき支給限度内で利用されているものと理解しております。  次に、介護保険対象居宅サービスの地域間格差につきましては、中山間地域等で事業者の参入が進まないことが要因の一つとして考えられることから、現在策定中の第4次高齢者保健福祉計画の中で、関係者の御意見をお聞きしながら検討してまいりたいと考えております。  次に、特別養護老人ホームの入所待機者につきましては、後期高齢者が急速に増加していることや施設志向が強いことなどにより増加していると考えております。  このため、平成19年度までの施設整備の目標実現方策につきましては、今年度の第4次高齢者保健福祉計画等の策定の中で検討してまいりたいと考えております。  次に、新予防給付の導入に伴う軽度者への家事援助サービスにつきましては、一律にサービスが制限されるものではなく、ケアマネジメントによる個別の判断に基づき、サービスを受けることが可能となっております。  また、施設における居住費、食費の負担につきましては、施設入所者が継続利用できるよう利用者の負担能力に応じて負担限度額が定められているほか、高額介護サービス費の見直しや社会福祉法人による利用者負担軽減制度の運用改善などの配慮がなされております。  次に、居住費、食費への助成措置につきましては、今回の見直しにおいて低所得者に一定の配慮がされており、県として独自の助成は考えておりません。  次に、低所得者に対する負担軽減措置の受給申請につきましては、申請漏れがないよう、各種会議等を通じて、市町村に対し該当者への情報提供を徹底するよう指導助言を行うとともに、介護サービス事業者に対しても利用者への周知の協力を求めるなど、制度の利用促進に努めているところであります。  次に、地域包括支援センターにつきましては、市町村の規模や日常生活圏域の実情に応じた適正な設置がなされるよう助言するとともに、関係職員等に対する専門的研修の実施や運営経費に対する財政負担を行い、業務が効果的かつ適正に実施できるよう支援してまいります。  次に、老人保健事業による訪問指導につきましては、要介護者に対するサービスが、介護保険によって提供されることとなったために減少したものと考えております。  来年度からは、この事業自体が介護保険制度の中の地域支援事業に移り、市町村において介護予防を目的として実施されることになりますので、要介護状態になるおそれのある高齢者を的確に把握した上で、介護予防に効果的な訪問指導を重点的に提供できるよう、市町村を支援してまいりたいと考えております。    (土木部長蛭田公雄君登壇) ◎土木部長(蛭田公雄君) お答えいたします。  住宅の耐震化の取り組みにつきましては、耐震診断や耐震補強の必要性について、講習会の開催や住宅フェアなどのイベントを通じ、県民への普及啓発に努めてまいりました。  さらに、施策の実効性を高めるため、本年度から新たに耐震診断事業を行う市町村を支援する木造住宅耐震化促進事業を創設したところであり、在宅の要援護者についても活用いただけるものと考えております。  今後とも、市町村に対して、本事業を積極的に活用するよう働きかけるなど、住宅の耐震化の促進に努めてまいる考えであります。  次に、急傾斜地対策の採択基準につきましては、県内における急傾斜地の土砂災害危険箇所は4,274カ所で、このうち、事業対象となる人家5戸以上の箇所は1,200カ所、整備率は昨年度末現在27.2%と低い現状にあり、公共性の観点から、人家の集中する箇所を優先的に整備する必要があるため、基準の緩和は困難な状況にあります。  今後とも、すべての危険箇所について、警戒区域等を指定するとともに、土砂災害警戒情報の提供等を行い、土砂災害から災害時要援護者や孤立する住民などを含む地域住民が一体となって、迅速かつ的確に避難できるよう警戒避難体制の整備を支援してまいる考えであります。    (警察本部長綿貫 茂君登壇) ◎警察本部長(綿貫茂君) お答えいたします。  公金を使った裏金づくりと、その使途の一つであるせんべつにつきましては、本県警察におきましては、御指摘のような事実はありませんので、調査を行う理由がないことから、特段の調査は行っておりません。  平成15年度における会計検査院による実地検査、毎年度実施される県監査委員による監査、警察庁による監査におきましても、特段の指摘は受けておりませんし、毎年度実施している内部監査におきましても、御質問のような事実は把握しておりません。  次に、捜査費の平成12年度と平成16年度の執行額の比較につきましては、県費の捜査費は、平成12年度が3,753万6,000円、平成16年度が2,200万3,000円で、1,553万3,000円の減少となっております。  国費の捜査費につきましては、平成12年度が7,792万9,000円、平成16年度が2,279万1,000円で、5,513万8,000円の減少となっております。  県費と国費の捜査費の合計は、平成12年度が1億1,546万5,000円、平成16年度が4,479万4,000円で、7,067万1,000円の減少となっております。  この減少の原因につきましては、捜査費の執行は捜査活動に伴うものでありますから、発生する事件の軽重、数、捜査内容の困難度、例えば発生する事件に追われ内偵捜査ができにくくなっていること、警察に対する情報提供等の協力が得られにくくなっていることなどによって、年間の執行額に変動が起こることは当然あり得ることと認識しております。 ◆13番(長谷部淳君) それでは最初に、県警本部長にお伺いしておきたいのですけれども、執行額がこの5年間で7,000万円減ったということでした。国費の執行額も5,000万円減っていったということですけれども、5,000万円と言えば昨年度までの県費の支出が予算額が4,400万程度ですから、実は県から支出していたこの捜査報償費は必要はなかったのではないかというふうに思えるぐらいの規模なんだと思うんです。これは全国的な傾向でありますけれども、結局2000年度から情報公開の流れが強まって、警察の予算執行に疑いの目が向けられて、裏金問題が噴出をして、裏金に回せなくなったのではないかと、こういう県民の疑問があるわけですので、少なくとも調査をして、こういうわけでありませんでしたというふうに県民にわかりやすく説明するのが必要なことではないかと思って質問いたしましたので、改めて調査をすべきではないかと思いますので、御答弁をお願いします。  それから、知事にお伺いしたいのですけれども、ちょっともう少し丁寧な御答弁かなと期待はしておりましたが、結局、例えば今県が進めている少子化対策の推進であるとか、いのち・人権・人格の社会の形成等々ありますけれども、例えば少子化対策の推進にかかわって言えば、5歳までの人口比保健所数が全国で比較をすると41位であるとか、いのち・人権・人格にかかわって言えば、人口当たりの医療施設数が全国38位であるとか、あるいは医療従事者数が38位、小児科医師数が37位、産婦人科医師数が33位、介護老人福祉施設定員数が41位、身体障がい者厚生援護施設定員数が42位、知的障がい者援護施設定員数が36位、児童福祉施設数が36位、あるいは循環型社会の形成とかユニバーサルデザイン等にかかわって言うならば、水道の普及率が42位、汚水処理人口普及率が36位、ブロードバンドインターネット世帯普及率が38位と、いろんな全国的に比べたら低い部分があるわけで、そういったところを県として底上げをしながら、この自治体による住民サービスを適切に維持管理をして、県民が公共部門に対する信頼回復をするということが改革の原点にあって、その改革の目的というのは、住民の自己決定権の拡充や県民の権利拡充と福利の実現、そのことを通した維持可能な社会づくりにあるのではないかというふうな考えを私は持っているわけですけれども、そのような考えでよろしいのかどうか、確認をさせていただければと思います。  それと土木部長にお伺いいたしますけれども、住宅の耐震化について今年度から始めた事業、私は非常に評価をしておりますし、全市町村で進めていただきたいと思っていますけれども、私があえてお尋ねいたしましたのは、地域防災計画の災害時援護者予防対策の中で、特に要援護者の在宅者の安全性を高めることが強調されていたり、新たに新長計をつくられますけれども、この中でも防災、防犯対策等が充実した地域社会づくりということで、災害時要援護者支援というのがやはりこれに盛り込まれるわけですよね。  そういった点からすれば、やはり要援護者というのは、特に災害時に弱い人でありますから、予防を含めて特別に手厚く早く援助することが必要だろうという思いから、特に要援護者に対する耐震診断や耐震補強といった耐震化対策については市町村が責任を持って行えるように支援をすべきではないかというふうに伺ったものですから、もう一度その点お伺いをしておきたいと思います。 ◎知事(佐藤栄佐久君) 長谷部議員の御質問にお答えいたします。  今いろいろ指摘がございましたが、私どもも基本的に言うと、今まで国.地方、それから市町村も含め護送船団方式という、民間と公共との間にそういう言葉があるように、一体的に進めてきたその結果が、残念ながら地方団体も含めもう立ち行かないような財政状況になっている、そういう中で、私は基本的にはプライマリーバランス、入ってくるお金の中で使っていくと、もちろん地方交付税等財源調整の全体の仕組みはあるにしても、そういう考え方で進める必要があると思います。  そういう中での行財政改革でございまして、いろいろ御指摘ありましたが、それらのそれぞれの点についても民間で十分専門的ノウハウ、あるいはサービス面での状況等も含めて民間に委託した方が効率的にできる部分もある。特に県民のニーズが多様化、高度化する中で、そういうふうに考えております。  私ども公的にしかできないような部分について決して今どんどんどんどん削減しているという感覚を持ってはおりませんで、現実にいないわけでございまして、私どもはやるべきものと民間に委託できるもの、それらをプライマリーバランスを考えながら自主的に進めると、そして新しい政策的に言うと創造的につくり上げていく政策を、そういう時代にある意味で二十一世紀に入って、これはもう二十世紀の後半10年くらい前からこういう時代になるというのは大体予測されてきたわけでございますが、実際にそういう時代に入ってきておりますので、私どもは民間部門でできるものについては、決してそれによって例えば医療が全然だめになってしまうというようなことは十分配慮し、地域の医療を確保しながら、例えば医療問題一つとってもそういうことを考えながら時代が変わってきておりますので、しっかりやっていきたいと思っております。 ◎土木部長(蛭田公雄君) 今年度から、市町村で行う耐震診断の事業を県が支援するというような事業を創設したところでございます。市町村におきましては、在宅要援護者も含めましてその取り組みということをやっておるところでございますが、これからも各市町村ともその在宅要援護者も含めて、なるたけ広い範囲で耐震診断ができるように、県としても普及啓発に努めてまいる考えでございます。 ◎警察本部長(綿貫茂君) お答えいたします。  本県警察におきましては、御指摘のような事実はありませんので、特段の調査を行う必要性を考えておりません。 ◆13番(長谷部淳君) そのように県民が受け取れるような調査結果を出していただければ問題ないと思うんですけれども、例えば2000年度刑法犯認知件数あるいは暴力団犯罪検挙件数、2000年度と2004年度を比べるとほとんど変わっておりません。4%くらいふえています。2002年度は2000年度に比べると警察が扱っている件数としては3割増しですね。ところが捜査費、これは県費、国費合わせてですけれども、2002年度、つまり事件が3割増しでありながら、捜査費は、執行額は4割も減っていると。とにかく毎年のように減り続けると、こういう事態になっているわけです。先ほど本部長、内偵捜査に手が回らないとかお話がありましたけれども、そういったことも含めて何で事件数がふえているのに、これまで使い続けていた捜査報償費が減ったのか、これは納得できるように説明が必要なのではないでしょうか。ですから聞いているのであって、ぜひ調査をして、県民に納得できるように説明をしていただければと思います。  あと、知事にお伺いしたいのですけれども、結局改革の原点に、公務に対する住民の信頼の回復というのはないんでしょうか。私自身は、質問の中でも申し上げましたように、いわゆる公務・公共部門をすべてを公務員で担うべきだなどとは思っておりません。NPOや住民の参画した団体がやっていけるということは当然必要だと思います。ただ、その場合に、当然その自治体と住民の真のパートナーというんですかね、そのためにはやはり住民が自治体を信頼する、そういう関係になければ、お互いが自立するという関係がなければいけないことだと思うんです。ですから、公共部門に対する信頼を回復するというそういう意識がこの行政改革の中に知事としてお持ちなのかどうか、そこのところを確認しておきたいと思います。  あと、保健福祉部長にお伺いしたいのですけれども、食費や居住費の新たな負担とかかわりまして、私新たな県としての助成措置というのを求めましたけれども、ただそれは前提として利用者実態と要望をやはり市町村や事業者から実態を、ことし10月から始まった食費や居住費の新たな負担をかぶせられることによってどのような実態になるか、利用者が一体どのようになるのか、あるいは事業者の減収がどういう状況になるのか、減収がある場合に必要なサービスがきちっと守れるのかどうか、サービスの低下が起こらないのかどうか、こういったことをきっちりと実態調査をして把握をしておくことはその大前提になるのではないかと思いますが、その実態把握ということについてどのようにお考えなのか、もう一度お答えください。 ◎知事(佐藤栄佐久君) 長谷部議員の再々質問にお答えしたいと思いますが、12年度から行政改革あるいはその前から行財政改革を進めておりますが、特に12年、13年から始まりましたこの改革も含めていろいろ私どもの重点の置き方、違ってまいりました。  ただ、福祉あるいは住民の生活に直接影響する部分についてと、公共事業も本当に要望強いんです。道路とかその他も要望強いのですが、それらの伸び率等を比較していただけますとおわかりのように、本当に県民の生活に直結する部分については、できるだけできる範囲で頑張ってきたつもりでございます。そういう中でのかなり激しい国の行財政改革等によって動いているわけではございませんが、それを見据えながら、私どもはやっぱり自分たちで創造的な政策をつくりながら、何度も申しますが、そして自主的に物を考えて県の将来を考えていかないと、今までのように何とか債があればできるということで借金をふやしていって、それじゃだれがあと面倒見るのかということになりますので、一つ一つの事業あるいは一つ一つの医療とか福祉とかそれぞれあろうかと思います。  ブロードバンドなんかは、これは民間と打ち合わせをしながら、民間にお願いしていくべきものだとは思いますが、そういうことを一つ力を入れるべきものをどういう力を入れていくかということを判断しながら、一つ一つの事業について考えていく必要があろうかと思います。  具体的に言うなら、さっきも申し上げましたように、行政が直接的に実施するのでなくて、民間部門での自発的活動の促進、専門的ノウハウの活用を図ることなどにより行政運営の弾力化、県民サービスの質的向上につながるようなことをやっていく行財政改革そのことが、今県民のニーズが多様化、高度化する中で非常に大切になってきているだろうということで、判断を一つ一つしていっているその中で、お話のような三大改悪かどうか、指摘していただきましたが、それもやっぱり必要な、そして県民の安心・安全や医療等に問題ないように進めることが私どもの仕事だと思っております。 ◎保健福祉部長(村瀬久子君) 再々質問にお答えをいたします。  現在介護保険支援計画、あわせまして第4次高齢者保健福祉計画を策定中でございます。この中で当然利用者の御希望あるいは市町村のそれに基づく推計、これに基づいて計画を策定をいたしますので、その中で十分調査、配慮をいたしたいと思っております。 ◎警察本部長(綿貫茂君) お答えいたします。  先ほどお答えしたとおり、捜査費の執行額は、発生する事件の数だけでなく、事件の軽重、捜査の困難性等が複合して変動するものでありますので、発生事件数だけで分析できるものではないと考えております。  また、平成15年度における会計検査院による実地検査、毎年度実施される県監査委員による監査、警察庁による監査におきましても、特段の指摘は受けておりませんし、毎年度実施している内部監査におきましても、御指摘のような事実は把握しておりません。 ○副議長(小桧山善継君) これをもって、長谷部淳君の質問を終わります。  通告により発言を許します。5番小熊慎司君。(拍手)    (5番小熊慎司君登壇) ◆5番(小熊慎司君) 自由民主党の小熊慎司です。  初めに、地方分権についてお伺いいたします。  我が自由民主党は、本年11月15日に立党50年を迎えます。そのような節目の年に、歴史的大勝利を得た今回の総選挙の際に「自民党からの120の約束」という、いわゆるマニフェストが発表されました。その中の地方分権にかかわるテーマとしては「三位一体改革の推進」「市町村合併をさらに促進」「道州制導入の検討を促進」「地方行政改革を徹底して実施」という4項目が示され、真の地方自治確立のために、これらの政策が確実に実現することが期待されているところであります。  そこで、この地方分権推進に関する自由民主党のマニフェストに対する知事の見解をお伺いいたします。  また、自民党の立党の精神である自主憲法の制定も、ここに来て実現性を帯びてきたところであり、憲法改正とも大きくかかわる道州制導入の検討を今こそ本格化しなければ、地方自治の本旨の実現が遠のくことになります。  平成15年9月議会の一般質問で私が道州制についてお伺いしたとき、道州制に対する考え方は示されたものの考えそのものはお示しいただけませんでした。  そこで、改めて道州制に関する基本的な考えについてお尋ねいたします。  また、地方の自己完結性を確立するものとして、地方分権の定着化の行き着く先は、地方自治体による立法権の確立にあり、そのためにも道州制の導入が必要と考えますが、県の見解をお尋ねいたします。  さらに、このほど庁内に設置されたプロジェクトチームにより分権宣言進化プログラムの最終報告書が提出されましたことは、既に御承知のとおりであります。この最終報告書は、現状を踏まえながらも地方自治確立の理想を高く掲げ、その実現の道筋を示していることに一定の評価をするところであります。  その中で、従来の県の機能を再編しつつ、新たに「自立確立機能」や「地方分権加速機能」、「情報収集機能」が提案されておりますが、これは地方分権確立のために画期的なものであります。中でも「地方分権加速機能」は、中央集権的なベクトルから、住民を出発点としたベクトルに変革するものであります。その具現化の最終形は、立法権を持った地方自治体の実現、つまり、より連邦制に近い道州制の導入であると考えられます。  そこで、分権宣言進化プログラムの最終報告で提案されている「地方分権加速機能」の終着点こそが道州制だと思いますが、県のお考えをお尋ねいたします。  一方、プログラムの中の「住民、市町村、県、国の役割分担の整理」で、市町村の役割は「住民に身近な業務について主体的に判断し、基本的に自ら実施する」ものとしております。これは、基本的に市町村の役割は総合行政を実施するものと理解することができますが、市町村が総合行政を担っていくためには、行財政基盤の充実を図る市町村合併が必要であり、また、合併しないで総合行政を担っていくことができない市町村は、窓口行政のみを行うことを選択するしかない状況になると思われます。その場合の県の対応をお尋ねいたします。  また、新たな提案の一つである「自立確立機能」の具体的例の中で、「県が市町村の業務を受託」とありますが、受託の際に受託料が発生し、結果として市町村の財政破綻を招くことが危惧されるところであります。  そこで、県は、市町村が財政破綻しないように、初めから合併するか、窓口行政にとどまるかの選択を積極的に促すことが誠実な対応ではないかと思いますが、考えをお尋ねいたします。  次に、公共事業の用地取得業務についてお伺いいたします。  近年の改革の大きな柱の一つである「官から民へ」というテーマは、民間活性、公務員天国の解消、ひいては自由主義における本来的なあり方である「小さな政府」、「小さな行政」の実現という重要なものであります。  また、限られた予算の中で多様な行政事業を遂行するには、事業のコスト削減、事業効率化が図られる民間委託が、今後もその範囲を可能な限り広げていく必要があると考えます。  その一例ですが、平成3年に旧建設省と社団法人福島県宅地建物取引業は、建設省の直轄の公共事業の施工に伴う代替地の情報提供及び媒介に関する協定書を締結し、これまでさまざまな事業で実績を上げているところです。  そこで、このような不動産の専門家の方々に、公共事業の用地取得業務について民間委託を進めるべきと思いますが、県はどのように考えているのかお尋ねいたします。  次に、福島テレビ株式会社の株式の保有についてお伺いいたします。  メディアの存在理由、本質、そしてその使命は、権力に対する監視と批判にあることは、民主主義社会の基本中の基本であります。  価値観の対立した権力とメディアの関係こそがむしろ共同体にとっては健全なものであり、一個人にとっても、みずからと社会を常に相対化して考え、社会を検証するという意味で重要なのです。だからこそ、権力とメディアが距離をとることが、正常な関係であり、民主主義の原則であります。  しかしながら、我が県においては、福島テレビ株式会社の株を50%保有するという実態があります。  設立時の経緯があったとはいえ、県民のテレビ視聴の利便が損なわれるというおそれのない昨今、40年以上も前の特殊事情で、県が株の保有を続けることは、民主主義社会の原則を揺るがすものとして看過できるものではありません。  県は行政運営を、そしてメディアはメディアらしく権力に対する批判と監視の本分を尽くし、お互いに相手の使命を尊重する基本姿勢を守ること、そしてその距離感こそが重要なのではないでしょうか。  そこで、お聞きいたします。県は、保有する福島テレビ株式会社の株式を売却すべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。  次に、超学際についてお聞きいたします。  まず初めに、私は複雑に高度化した諸問題を抱える現代において、超学際的取り組みを実践することによって、ほとんどの問題を解決へ導くことができると強く訴えたい。  なぜならば、そこには共生の論理という考え方が根底にあり、それは決して新しいものではなく、人間社会の本来持つ根源的な普遍的価値観にほかならないからです。  超学際的取り組みとは、新しいものでも難しいものでもなく、我々が本来身につけていた自然体の、シンプルな大局観にほかなりません。  しかしながら、超学際という言葉を発するとき、あらゆる場面で苦笑が漏れ、真摯に受けとめられないことは残念でなりません。そもそも、トランスディスプリナリティーという言葉を直訳に近い形で命名してしまったことが、あだとなっているのです。本来、創造的な視点を持つ超学際が創造的でない直訳をしてしまったという、超学際における超学際的パラドックスとでも言うべき問題を引き起こしました。  超学際的研究機構代表理事の角山先生は、その機関紙の創刊号の中で「構成する漢字の意味が多少異なっても意味するところが正しく伝わればよいわけです」と述べておりますが、超学際という名前は、残念ながら意味するところがだれにも正しく伝わっておりません。  そこでまず、このすばらしい概念が広く世間に広まり、一般化されるように超学際の名前を変えるべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。  また、超学際をさまざまな分野の領域を超えること、との誤解が蔓延しておりますが、領域を超えるだけでは単なる学際であり、超学際ではありません。そこで、あえてここで、超学際の意味するところは具体的にどういうことかお尋ねいたします。  さらに、残念ながら現状としては、これだけすばらしい超学際がいまだ県民にも庁内にも浸透されておりませんので、今後の取り組みを見直し、より充実すべきと考えますが、県の見解をお尋ねいたします。  次に、教育行政についてお伺いいたします。  スイスの教育家であるペスタロッチは、「家庭が陶冶する」という教育原則を打ち立てました。そして、日本で最初の本格的教育学者である会津藩出身の高嶺秀夫により、ペスタロッチ主義による開発教授の確立と普及がなされました。その潮流の中で、戦後、谷昌恒により倉町に堀川愛生園が設立され、ペスタロッチ主義に基づく生活に根差した教育、つまり「能く働き、能く食べ、能く眠る」という三能主義が実践されました。  また、現在においては、百升計算で有名な陰山英男先生が、正しい生活習慣と学力向上の相関関係を指摘しております。さらに、本県の教育委員会より本年5月に発表されました平成16年度学力実態調査によれば、毎日朝食を食べている児童生徒は、食べない児童生徒に比べて、調査したすべての教科で正答率が高いことが明らかとなっており、正しい生活の実践が学力に影響を及ぼす一端を示しました。私は、家庭教育における正しい生活実践こそが教育の基本であり、あらゆる教育問題解決の第一歩であると思います。  そこで、広く家庭教育の重要性を理解してもらうための取り組みについてお尋ねいたします。  また、少子社会によって、児童生徒数が減少する中、学校の施設のあり方が問われております。全国各地で学校施設の機能を複合化、例えば老人ホームや保育園、公民館機能などとの併用化をした結果、児童生徒の情操教育につながっていく事例が数多く報告されております。  教育現場周辺へ児童生徒、教員以外の他者が入ることによって、教育、子育ちの社会化、つまり、地域社会の教育への支援が確立されるのです。  そこで、児童生徒数の減少は今後ますます加速し、また地域社会の教育の参画の重要性が叫ばれる昨今、学校の空き教室について、地域の貴重な資源として有効活用を図るべきと思いますが、県教育委員会の考えをお尋ねいたしますとともに、あわせて地域の教育力向上のための取り組みについてお尋ねいたします。  また、年々、教員の資質の低下が指摘されますが、それは、教員の地域社会との関係の希薄化が一つの要因であると思います。さきに述べたとおり、教育の社会化が重要でありますが、そのためには教員の顔が地域社会に見えてこなければなりません。  そのような中、先ごろ全国市長会において提言されました、教員人事権の都市への移譲は、教員が地域に根差し、地域に顔の見えるきっかけとなると思われます。私は、市町村間に差が出ることなく、地域の教育力の向上、教員の資質向上のためにも、市町村の広域的な取り組みによる教員の人事権の確立が必要であると考えます。  そこで、県教育委員会は、市町村が広域的に連携し、独自に教職員を任用することについて、どのように考えているのかお尋ねいたします。  さらに、現在のジェンダーフリー教育の混乱は、国際社会において名誉ある地位を目指すべき日本社会において、女性の社会進出や人生の選択多様性を否定し、成熟した社会形成を阻害するゆゆしき問題となっております。  本来、多種多様であるはずの人間をステレオタイプにすべて還元し、性別役割分担を是認する本質主義と呼ばれるものは、パターナリズム(家父長的温情主義)に陥り、積極的な差別是正策、いわゆるアファーマティブ・アクションを逆差別と断定するという暴論に走らせます。そのような本質主義がはびこる中にあっては、はっきりとわかりやすくジェンダーフリーを問うべきであり、セックスフリーと混同されるのを慎重に避けるべきであると思います。生物的区別を肯定しつつ社会的差別を解消していくという実にシンプルな作業が、こうも誤解から混乱を生み、社会的発展を妨げていることは、今後の日本社会のためにあってはなりません。  そこで、男女の性差についての考え方を整理して、男女共同参画社会を目指した教育をすべきと考えますが、県教育委員会の見解をお尋ねいたします。  次に、人口問題についてお聞きいたします。  去る7月26日に、国土交通省は都市・地域レポート2005の中で、2030年までの全国85都市圏の人口予測を発表しました。県内の3都市圏は、2000年比で、福島都市圏と郡山都市圏が90%台、会津若松都市圏が70%台まで落ち込むという予測となりました。  私は、公私ともに人口減社会の問題に日夜努力しているところであり、来春には待望の第三子が誕生する運びとなりました。その矢先の衝撃の人口予測に、私一人ごときの努力は、嵐の中、荒れる大海原に飛び込むアリのようなものだと、大きな無力感に見舞われました。  しかし、あらゆる努力をして、この未曾有の社会変化に対応しなければ、未来の子供たちや孫たちの幸せは築けませんし、特効薬はありませんが、全力を傾けてこの危機を突破することが、現在に生きている我々の責務であります。  そこで質問に移りますが、まず、国土交通省の都市・地域レポート2005で示された地方における人口減少について、県はどのように考えているのかお尋ねいたします。  また、最近、全国各地でコンパクトシティーへの取り組みがなされております。コンパクトシティーとは、都市計画の哲学のようなものであり、豊かな資源を守り、少しずつつくり、今あるものを育てていくプログラムと言えます。それは新たな空間をつくるという事業から今ある空間を育てる事業へとベクトルを変えて、地域住民のライフスタイルまでをも見直し、都市の持続可能性を現実化するものです。  だからこそ、人口減少社会においては、新たな都市計画の概念であるコンパクトシティーを実現させていく必要があると思いますが、県の考えをお尋ねいたします。  また、新たなシフトの転換をせずに現状のままでは、人口減少社会において、公共投資の減少が見込まれ、増大する公共土木施設の維持補修、更新投資への対応が心配されますが、県の考えをお尋ねいたします。  さらに、人口規模と経済規模に一定の相関性は認められるものの、ここで、あえて人口本位説に基づいた悲観論から脱し、量から質を重視する社会の仕組みづくりへの転換が、ひいては持続可能な新たな県内産業構造の誕生を可能ならしめると思われます。  そこで、本県経済の持続的発展に向けて、人口減少社会における産業振興にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。  また、2007年問題における労働力人口の減少について、県の見解は、1995年と2030年の比較で、労働者の減少比率が本県では5%未満にとどまり、労働力の高齢化が緩やかであるという予測のもと、本県においてはその影響は比較的少ないとしております。しかしながら、労働者の減少比率が10%にもなり、景気回復が堅調な首都圏においては、その求人倍率と所得に、地方との大幅な格差が生じるものと予測され、今後、首都圏への労働力人口の流失が加速されると思いますが、県の考えをお尋ねいたします。  あわせて、県内の労働力が流失しないように、その確保のためには、魅力ある雇用の場の創出が重要であると考えるが、県の対策についてお尋ねいたします。  次に、地域振興についてお聞きいたします。  地域の特性を生かした製品の魅力、価値をさらに高め、全国さらには海外のマーケットにおいても通用する高いブランド力を確立すべく、総合的に支援を行うジャパンブランド育成支援事業が、昨年の会津本郷焼に続いて、本年度は会津漆器が経済産業省により採択されました。  この採択によって、これらの伝統的工芸品を全世界に売り出し、あわせて後継者への技術の継承、伝統的工芸品文化の拡大、発展につながることが期待されております。国の事業でありますが、県においても積極的にかかわることが望まれております。  そこで、国のジャパンブランド育成支援事業に取り組む団体に、県はどのように支援していくのかお尋ねいたします。  また、このプロジェクトが一過性のもので終わることなく、その成果が継続していくことが重要でありますので、国の支援が終わった後でも、県におきましては、しっかりと見守って、ジャパンブランド育成事業の認定を受けた伝統的工芸品の輸出に向け、継続的な支援が必要と思いますが、県の考えをお尋ねいたします。  さらに、県内に視点を置けば、各地域において地場産品ブランド化の取り組みが盛んに行われております。そのような県内各地域における先行的な取り組みを支援し、ふくしま産品の知名度や評価の向上を図るため、ふくしま産品振興アクションプログラムが策定されました。  しかしながら、ふくしま産品のブランド化と各地域ブランドの取り組みが、屋上屋を架すようなことや、その取り組みの中で二度手間が生じるようなことがあれば、せっかくの目的が薄れてしまいます。そこで、このアクションプログラムの中で、ふくしま産品のブランド化を図るとしておりますが、各地域ブランドとの整合性をどのように図るつもりなのか、県の考えをお尋ねいたしますとともに、アクションプログラムにおける県の役割は、地域のブランドを支援していくために、各地域間の連携を促進するとともに、PRを重視していくべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。  また、来年2月に会津若松市内において、エンジン01文化戦略会議による「オープンカレッジinあいづ」が開催されます。  エンジン01文化戦略会議とは、各分野の第1人者約160人が日本の文化のさらなる深まりと広がりを目的に参集し、実際に行動する場として4年前に発足しました。このエンジン01によるオープンカレッジでは、多彩な分野の講師陣約100名を迎え、会津地域再生のヒントを探るとともに、会津から全県、全国へと文化を発信します。また、オープンカレッジ開催以降も教育フォークや税制フォーラムなどを招致し、二十一世紀の文化の福島のエンジンとして一過性のイベントではなく永続的に開催されていく予定であります。  そこで、今回、県においては、開催支援事業費を提案されたところでありますが、「オープンカレッジinあいづ」の開催をどう評価しているのか、県の考えをお尋ねいたします。  また、県は、商業まちづくり推進条例を今定例会に提案しております。グローバル経済の進展、大量生産、大量消費にならされ、根底には、大都市化を求めてやまない消費者心理などが渦巻く中にあって、この条例は、近代資本主義への挑戦であり、ポスト資本主義の萌芽ともいうべき条例であると評価するところであります。  しかしながら、そのような高邁な理念とは裏腹に、この条例はこれから熟成させて実効性あるものとしていかなければならないという難題を背負っているのも事実であります。ぜひとも総力戦でその努力を重ねていきたいところではありますが、問題となっておりますいわゆる店舗面積について、私は、一律の面積で大なたを振るうのではなく、その立地条件に合わせて決定していくことがより現実的であるものと考えます。そこで、商業まちづくり推進条例で立地を調整する小売商業施設の面積については、地域の特性を生かした対応が必要と考えますが、県の考えをお尋ねいたします。  最後に、ニート対策についてお聞きいたします。  ニートにつきましては、これまで、社会におけるその現在的及び将来的危機が広く認知されてきており、また、その実態把握と、的確な原因究明による抜本的対策の構築が喫緊の課題であることは言うまでもありません。そのような中、各地域においてさまざまな試みが実践されておりますが、会津におきましても、俳優の千葉真一さんと若手の地元経済人たちにより、ニートが生きる喜びと労働のすばらしさを実感し、社会参加のきっかけをつかむことのできる施設の設立が模索されているところです。  時を待たない社会の変化の中で、ニート対策はあらゆる試みをしていくことが重要であり、それらに取り組む人々を支援することが、解決の道筋をつけることになると思われます。  そこで、NPO等のノウハウを活用したニート支援について、県の考えをお尋ねいたしまして、壇上での質問を終わります。(拍手) ○副議長(小桧山善継君) 執行部の答弁を求めます。    (知事佐藤栄佐久君登壇) ◎知事(佐藤栄佐久君) 小熊議員の御質問にお答えいたします。  自由民主党のマニフェストについてでありますが、「三位一体改革の推進」については、平成18年度までに3兆円規模の税源移譲を確実に実現することをうたう一方で、平成19年度以降の第2期改革に関しては、具体的な工程が明確でないことなどから、今後着実に推進されるよう小泉首相の強力なリーダーシップに大きな期待を寄せているところであります。  また、「市町村合併の促進」や「道州制導入の検討の促進」については、枠組み先行の議論で、効率性のみを重視した中央集権的な観点から推し進めようとしているように感じられ、私は、今回の欧州視察においてフランスの人口275人のスノ市長であり、37のコミューン共同体の議長でもあるジェラール・ルメートル氏に「なぜ合併しないんですか」と問いかけたところ、「ここには身近な民主主義が存在している」と伺い、こうした考え方に照らしても、地域の特性、市町村や住民の意向を重視すべきであると考えております。  さらに、「地方行政改革の徹底」につきましては、これまでも地方は、国以上の行財政改革を断行してきたところでありまして、本県といたしましても、分権型社会にふさわしい行財政システムの確立に向け、不断に取り組んでまいる考えであります。  その他の御質問につきましては、関係部長から答弁いたさせます。    (総務部長野地陽一君登壇) ◎総務部長(野地陽一君) お答えいたします。  道州制につきましては、現在、第28次地方制度調査会などにおいて国と道州の役割分担、道州の区域、さらには議決機関や執行機関のあり方等についてさまざまな議論がなされております。  しかしながら、県域を越える広域的な課題については、広域連合や都道府県合併等の既存制度の活用や隣接県との連携により十分に対応できるにもかかわらず、なぜ道州制が必要なのかということに国民が納得できる理由が示されないまま、単に国からの権限移譲の受け皿という観点や効率性の論理のみによる枠組み先行で議論されておりますが、今なすべきは、道州制の議論ではなく、三位一体改革を初めとする自己決定、自己責任による地方自治を定着化し、実現していくことであると考えております。  次に、地方自治体の立法権限につきましては、道州制導入のいかんにかかわらず、憲法に基づく条例制定権として既に保障されているところであります。  今後は、住民に身近な行政が地域の実情を反映して行うことができるよう、さまざまな制度や基準の簡素化、大枠化など法令の規律密度の緩和、特定分野において条例が政省令に優先する仕組みづくりなどを国に働きかけてまいる考えであります。  次に、「地方分権加速機能」につきましては、国から地方へという分権を確実に進めながら、さまざまな規制緩和、過剰関与の撤廃、地域の実情を踏まえた戦略的な政策提言などにより、地域や住民から出発し、一人一人の住民が地方自治の主役であることを実感できる、真の市民社会の構築を目指すためのものであり、道州制とはかかわりなく、広域的自治体としての県として、市町村や住民の意見を結集させ、地方分権改革の潮流を確固たるものとする機能であると考えております。  次に、市町村行政につきましては、地方分権を初め少子高齢化など社会経済情勢の変化に的確に対応できる行財政基盤の充実を図ることが求められており、このためには、徹底した行財政改革や積極的な住民参画等大胆な改革を実施するなど、最大限の自助努力を行うとともに、市町村合併や広域連合、事務の共同処理などの多様な連携方策について検討し、みずからの将来のあり方について、自主的、主体的に判断していくことが必要であると考えております。  県といたしましては、それぞれの市町村の判断、取り組みを尊重し、市町村と県の連携に関する審議会での意見を踏まえながら、市町村が自立していくための連携方策について検討するとともに、制度改革が必要なものについては、国に提言してまいる考えであります。  次に、市町村のあり方の選択につきましては、地方分権時代にふさわしく、市町村が住民とともに、それぞれの地域特性や社会経済情勢の変化等を踏まえながら、みずからの将来のあり方について真剣な議論を重ねた上で、自主的、主体的に行うべきであると考えておりますが、そのためにも、多様な選択が可能となるような地方自治制度の実現に向けて、市町村の意向を踏まえながら国に働きかけてまいる考えであります。  次に、福島テレビ株式会社の株式につきましては、昭和37年、民間テレビ局の早期開局を図るため、県議会の承認を得て保有することとなったものであります。  その際、「県の出資は、将来にわたって県が保有し、これを他に譲渡し、あるいは売却しないものとする。」との決議もなされたものであります。  その後、特段の問題もなく保有してきたところであり、今後も引き続き保有していく考えであります。    (企画調整部長内堀雅雄君登壇) ◎企画調整部長(内堀雅雄君) お答えいたします。  超学際につきましては、経済の論理や競争の論理を過度に重視した二十世紀型社会経済システムが発生させてきた環境問題、資源・エネルギー問題、食糧・水問題、人口問題、大都市問題などの複雑かつ多様化した諸問題を総合的に解決するための考え方、手法として提唱しているものであり、これまで、NPO法人超学際的研究機構が設立され、会報の発行や交流会の開催等を通して活動の輪が広げられるとともに、県においても、ホームページによる情報提供、国際シンポジウムやセミナーの開催など、普及啓発を進めてきたところであります。  今後とも、さまざまな機会をとらえ、超学際の考え方やその実践の意義、必要性について県民により広く浸透するよう努めてまいる考えであります。  次に、超学際の意味につきましては、複数の学問分野の融合を図る学際的視点に加え、産業界、大学、県民、NPO、市町村などの産学民官連携の視点等を踏まえ、さまざまな主体が多様な知恵を結集し、領域を超えて幅広く連携することにより諸問題の解決を図ろうとするものであります。  取り組み事例としては、県の鳥獣保護センターを拠点として、ボランティア、NPO、獣医師会、岐阜大学、地元の小学校等の連携により、科学的な調査研究や環境教育を含めた野生動物の保護、救護活動が行われており、また、岳温泉においては、旅館、農場、農家、収集運搬業者、ゴルフ場、フォレストパークあだたら等の連携により、生ごみや家畜排せつ物を堆肥化し、栽培した有機農産物を旅館等の食材とする地域内循環の仕組みを構築するなど各地域においてさまざまな方々が連携し、工夫と努力を積み重ねていく中で、超学際的取り組みを実践しているところであります。  次に、今後の取り組みにつきましては、パンフレットの作成やセミナーの開催により、具体的な取り組み事例を紹介するとともに、超学際的活動の拠点であるうつくしま超学際ネットワークにおける多様な主体との連携を進めるコーディネート事業の充実を図るなど、地域での実践的な活動の促進に重点を置いた事業を展開してまいりたいと考えております。  また、庁内においても、研修等を通じて職員の意識改革を図りながら、循環型社会の構築、少子化対策、地域経済の活性化、過疎・中山間地域の振興、安全で安心な社会の形成など県政の重要な課題について幅広い視点で部局横断的に取り組むのはもちろん、産学民官の緊密な連携による超学際的な取り組みを積極的に推進してまいる考えであります。  次に、地方における大幅な人口減少につきましては、地域住民の生活全般にさまざまな影響を及ぼすばかりでなく、地域社会の維持さえも危うくするおそれがある深刻な問題であると認識しております。  新長期総合計画うつくしま21の予測を超えて進行する少子化や県内人口の減少など急激な社会経済情勢の変化に対応するため、現在、重点施策体系の見直しを行っており、その中で、子育て支援など次代を開く仕組みづくりや過疎・中山間地域対策を緊急課題に位置づけるなど、人口減少に対応した各種施策に総合的、機動的に取り組んでまいる考えであります。    (生活環境部長根本佳夫君登壇) ◎生活環境部長(根本佳夫君) お答えいたします。  「オープンカレッジinあいづ」につきましては、芸術、科学、教育など各界で広く活躍されているエンジン01文化戦略会議の多数の会員の方々が一堂に会し、地元経済団体などで組織する実行委員会と連携を図りながら開催されるものであり、さまざまな分野の講演やシンポジウム、さらにはエンジン01会員と一般参加者が自由に語り合う交流会などが予定されております。  このイベントの開催については、数多くの参加者に本県の恵み豊かな自然や歴史などを紹介する機会となるばかりでなく、県民が、エンジン01会員のさまざまな考え方に触れ、交流することで文化意識を高める絶好の場となり、本県の地域振興や文化振興に大きく寄与するものであることから、支援してまいりたいと考えております。    (商工労働部長鈴木雄次君登壇) ◎商工労働部長(鈴木雄次君) お答えをいたします。  人口減少社会の産業振興につきましては、消費が量的に縮小し、より質の高い製品・サービスへのニーズが高まるなど需要構造の変化への対応や、労働力人口の減少に伴う生産性の向上がこれまでにも増して重要になるものと考えております。  このため、本県中小企業の技術開発力の強化に向けて、産学官連携による共同研究や技術移転等を一層促進するとともに、新たな経済活力の創出に向けて国内外から交流人口を呼び込む観光の振興を図るほか、高い労働生産性を生み出す産業人材の育成に取り組むなど、成長力を持ち持続的な展開ができる産業の振興に積極的に取り組んでまいる考えであります。  次に、首都圏への労働力人口流失につきましては、人口移動の推移を見ますと、高度経済成長期には首都圏への大幅な転出超過が続いておりましたが、近年は比較的低水準で推移しております。  今後、労働力人口の流失が加速されるかどうかにつきましては、景気動向や地域間の賃金水準格差などの経済的要因に加え、居住環境や生活全般にわたる快適性、若年者の地元定着傾向などさまざまな要因が影響を及ぼすものであり、慎重に見きわめていく必要があると考えておりますが、いずれにいたしましても人口減少時代を迎え、県内における労働力確保は極めて重要な課題であると認識しております。  次に、魅力ある雇用の場の創出につきましては、労働力人口が減少する中、だれもが自己の能力を十分に発揮し、意欲を持って就業できるよう、活力ある産業が展開されることが重要であると考えております。  このため、本県経済や雇用の担い手である中小企業への経営・技術両面における支援や、ベンチャーなど起業家の育成支援、さらには、本県の産業集積や大学等の知的資源を生かした成長産業の育成に取り組むとともに、安全・安心な本県の強みを生かし、競争力のある製造業や研究開発型企業などの誘致を促進するなど、引き続き多様な魅力ある雇用機会の創出・確保に努めてまいります。  次に、ジャパンブランド育成支援事業につきましては、本事業の取り組みを通して、ジャパンブランドとして認知されることが、国内外の市場での高い評価に結びつく可能性があることから、これに取り組む団体に対して、現在県が単独で実施している産品開発、販路開拓等に係る助成や専門家の派遣等により、今後ともきめ細かな支援をしてまいります。  次に、ジャパンブランドの事業認定を受けた伝統的工芸品の輸出支援につきましては、現在、当該事業が終了した団体に対して、貿易実務に精通した専門家を派遣するとともに、国際見本市への出展に伴う商品開発等への助成を行っているところでありますが、今後はさらに、輸出促進に向けてインターネットの活用やさまざまな商品情報の把握について研究をしてまいります。  次に、ふくしま産品のブランド化と各地域ブランドとの整合性につきましては、各地域ブランド産品の知名度が高まることが、結果としてふくしま産品のブランド化に結びつくものと考えており、アクションプログラムにおいても、各地域におけるブランド化の先行的な取り組みを支援しつつ、一体となって取り組むこととしたところであります。  次に、地域ブランドの支援につきましては、地域のブランド化を図っていく上で各地域が連携していくことが、共通の課題や有益な情報等の共有につながり、新商品の共同開発や販路開拓等に結びつくなど、大きな効果が期待されることから、地域の特性を生かしながら地域間の連携促進に努めてまいります。  また、地域ブランドに関する情報の発信が販売促進等の重要な戦略の一つであることから、国内外における県産品フェア、商談会等のさまざまな機会を通して、これまで以上に積極的に地域ブランドのPRに努めてまいります。  次に、商業まちづくり推進条例の調整対象となる小売商業施設につきましては、まちづくりは、住民に最も身近な市町村が取り組むことが基本であり、県と市町村が地域の特性を生かしたまちづくりを推進することが重要であると考えております。  このため、県は、市町村との役割分担の考え方に基づき、一定規模以上の特に規模の大きな小売商業施設の立地について、広域の見地から調整するとともに、市町村が行う独自のまちづくりを積極的に支援して、県と市町村との緊密な連携により商業まちづくりを推進してまいる考えであります。  次に、ニート対策につきましては、ニートは性質の異なる幾つかのタイプに分けられるため、それぞれに合った支援策を講じる必要があります。  そのため、不登校、引きこもり、非行といったニートに関係する若者に対し支援実績のあるNPO等のノウハウを活用することが極めて重要であり、これら関係団体と連携してニート支援に取り組んでまいりたいと考えております。    (土木部長蛭田公雄君登壇) ◎土木部長(蛭田公雄君) お答えいたします。  公共事業の用地取得業務につきましては、現在、用地測量や補償金積算業務等一部について、民間委託を行っております。  用地交渉及び補償契約を含む全面的な委託は、法律事務の取り扱いに関する弁護士法の制約に抵触するおそれがあるため困難な状況下にありますが、今後とも、用地の円滑な取得に向け委託業務の拡大について検討を進めてまいる考えであります。  次に、人口減少社会におけるコンパクトシティーの実現につきましては、人口増加や車社会の進展を前提とした都市構造から、都市機能の集積を最大限に生かしながら都市の活力を効率的に維持・向上させていくような都市構造への転換を図ることが必要と考えております。  そのためには、少子高齢社会や環境問題等に対応した「歩いて暮らせるコンパクトなまちづくり」や「環境負荷の少ない持続可能なまちづくり」の考え方に基づき、地域特性に応じた個性と魅力ある都市の創造と多様なライフスタイルに合った居住環境の実現を図ることが重要と考えております。  次に、公共土木施設の維持補修、更新投資につきましては、高度経済成長期以降に整備した社会資本が、次々と更新の時期を迎えることから、厳しい財政状況の中にあって、より適正な管理や計画的な対応が必要になっております。  このため、うつくしま建設プラン21において、建設主体から管理重視へを基本方針の一つとして位置づけ、計画的な維持管理により、既存施設の長寿命化と維持管理コストの縮減に努めるとともに、施設の更新においても、ライフサイクルコストを重視し、将来の維持管理を考慮した良質な社会資本の整備を図ってまいります。    (教育長富田孝志君登壇) ◎教育長(富田孝志君) お答えいたします。  家庭教育の重要性を認識させるための取り組みにつきましては、子供の健全育成にとって極めて重要であることから、乳幼児期、小学1年時及び小学5年時の保護者全員にそれぞれの時期に応じて子育てのポイントを掲載した家庭教育手帳を配付するとともに、県内各地における親育て.子育てサポート事業などの実施を通じて、家庭教育の重要性を改めて認識していただけるよう学習の機会を提供しているところであります。  次に、空き教室の有効活用につきましては、保育所や老人福祉施設等への転用により異世代間の交流が促進されることから、児童生徒の人間性・社会性の育成が図られることや地域住民の学校に対する理解及び連携のきっかけとなることなどの効果が期待されます。  このことから、市町村教育委員会において、各学校の実情や地域のニーズに応じ、施設の有効活用を図り、地域に開かれた学校づくりを進めるよう働きかけてまいりたいと考えております。  次に、地域の教育力向上のための取り組みにつきましては、子供にとって、遊びや体験を通じ、社会性や人間性などをはぐくむことが重要であることから、地域の方々が民話や昔遊びなどのさまざまな活動を通して地域で子供と触れ合うことができる環境づくりを支援しております。  今後とも、大人や子供がかかわり合い、地域で子供をはぐくむ環境がより豊かなものとなるよう取り組んでまいる考えであります。  次に、市町村が広域的に連携し、独自に教職員を任用することにつきましては、より地域に根差した教育が行われるものと考えられますが、地域によっては、優秀な教員の確保が困難なことや人事の停滞などの課題も想定されますので、今後の動向に応じて、適切に対応することが必要であると考えております。  次に、男女共同参画社会を目指した教育につきましては、児童生徒に対して、生物学的な性差と社会的、文化的につくられた性差との違いを正しく理解させ、固定的な性別役割分担意識にとらわれない考え方ができる教育を進めているところであります。  今後とも、男女がともに尊重し合い、自分らしく生きることができるよう、人権を尊重する心や男女共同参画の意識を醸成するための教育に努めてまいる考えであります。 ◆5番(小熊慎司君) いろいろありますが、1点だけ福島テレビ株の問題であります。  ことしに入りまして、いわゆるライブドアの問題で株主と企業とのかかわり、また企業とはいってもメディアと株主とのかかわりということが大いに議論された年でありました。またその株主の役割として、今までこの日本の企業文化の中では白紙委任していたような部分がありましたけれども、株主の責務としてコーポレートガバナンスをしっかりと把握するという部分も浮き彫りになったような気がしております。  そういう中において、やはり民主主義の原則であるメディアと権力のかかわりということを考えれば、行政が一メディアの株主になるということは、そこにおいてメディアに何らかの影響力を発揮してしまうおそれを有しているという状況をつくっているというふうに思っております。  答弁では「特段の問題もなく」とありましたけれども、これは関係性においては大きな民主主義の社会においての問題だというふうに私は思うのですが、「特段の問題もなく」と、あと県の決議もなされたということでありますが、これは我々議会側の問題でありますけれども、この新たな県の決議があった場合、株を放出するという可能性が出てくるのか、その点についてお聞きいたします。 ◎総務部長(野地陽一君) 再質問にお答えをいたします。  権力とメディアの関係についての御懸念とも伺いましたけれども、そのような御懸念のような状況はこれまで生じてきておらないということがまず一つあると思います。  それから、県議会における決議というものが改めてなされた場合にはどうかということでございますけれども、それはまた新たに生じた事実でありますので、それはそれとして尊重しなければいけませんけれども、これまで問題なく保有をし続けてきたことをベースにしながら、新たな事実についても考慮をして、改めて判断をするということが必要な立場に立つものだというふうに思っております。 ◆5番(小熊慎司君) もちろん今まで問題があったということは、私は申しておりません。その可能性を有しているということが問題であって、この可能性を排除していくことが、民主主義下における権力とメディアの健全な関係を築くということを指摘しておきたいと思いますし、今ほど新たな決議となればその可能性について言及されましたので、私は議会人として、民主主義の原則に基づいて今後その問いかけをしていくことを指摘いたしまして、議会での新たな決議ができるように最善の努力をしたいというふうに思いますが、その点についてもう一度確認させていただきます。 ◎総務部長(野地陽一君) メディアと権力との関係については、福島県としてはこれまで見識を持って対応してきておりますので、特段の問題が生じてこなかったというふうに認識をいたしております。  それから、県議会の議決というものにつきましては、それはこれまでの経過、そういったものを尊重しつつ判断をしてまいりたいというふうに考えております。 ○副議長(小桧山善継君) これをもって、小熊慎司君の質問を終わります。  本日は、以上をもって議事を終わります。  明10月5日は、定刻より会議を開きます。  議事日程は、県の一般事務に関する質問及び知事提出議案第1号から第44号までに対する質疑並びに請願撤回の件であります。  これをもって、散会いたします。    午後4時48分散会...